導入事例

2022.07.19

オリエンタルコンサルタンツ、事故削減ソリューションとして全国・全車両にDRIVE CHART導入——リスク運転が半減し、導入効果を実感中

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 オリエンタルコンサルタンツは、建設分野のコンサルティングサービスを幅広く手がける企業です。道路整備・保全事業、流域管理・保全事業、防災事業、交通運輸事業、地方創生事業、海外事業に対して、ハードからソフトまでを主な守備範囲としています。

 そのほか、地域活性を目的とする事業経営も展開。たとえば、存続の危機にあった酒造会社を買収して38年振りに日本酒の製造を再開、さらには酒米の生産農家を後押しして地域全体の持続的な発展に寄与するなど、地域の暮らしを豊かにする取り組みを行っています。 
 
 つまり、コンサルティングの枠内で満足せず、SDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)を意識したトータルな社会価値創造を目指す企業グループなのです。
 国内事業の対象地域が日本全体に及ぶため、支社や事務所は全国各地にあり、そこを拠点に社員の方々が営業や調査のため日々移動しています。自動車の運転時間も長く、一日中乗っていることも珍しくありません。 
 
 当然、交通安全や事故防止は、オリエンタルコンサルタンツの交通運輸事業にとって重大なテーマです。より安全に運転してもらいたいと考え、従来型のドライブレコーダーを以前から使用していました。しかし、残念ながら、映像の確認やリスク運転の検出などに手間がかかり、十分な活用はできなかったといいます。
 少ない負担で事故削減が期待できるAIドラレコ「DRIVE CHART」を活用できる「車録Pro」を導入(※1)したのは、そんな状況を改善するためでした。
 
 DRIVE CHARTへ移行して、事故削減効果やその他メリットは得られたのでしょうか。執行役員の船越博行さん(下記、写真中央)、関東支社副支社長の松金伸さん(写真右)、同じく関東支社の事業企画部で副主幹を務める宮澤啓さん(写真左)にお話を伺いました。(※2)

会社名 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
業種 建設分野のコンサルティングサービス
保有車両数 73台
車録Pro導入台数 73台
導入時期 2021年9月
導入理由 SDカードに録画する一般的なドライブレコーダーを使っていたが、管理や運用に手間がかかり、事故削減ソリューションとして不十分であった。グループ会社からAIでリスク運転が検出できたり、運転行動レポートが自動作成されたりする車録Proを提案され、期待できると全車導入に踏み切った。


※1株式会社リサーチアンドソリューションの事故削減安全運転分析支援サービス「車録Pro」は、DRIVE CHARTを活用しています。以下、「車録Pro」を単に「DRIVE CHART」と記載します。
※2写真撮影時のみマスクを外しています。

普通のドライブレコーダーは、事故削減ソリューションとして活用できなかった

——DRIVE CHARTを導入する前は、どのような交通安全対策をとっていたのでしょうか。
 営業などを担当する方々の多くは、一日中車に乗っています。そこで、ドライブレコーダーを取りつけて、運転の様子を録画し始めました。

 映像は、ドライブレコーダーのSDメモリーカードに記録されます。それを毎月回収してデータを吸い上げ、人の目で内容をチェックし、運転状況レポートにしました。そして、レポートにもとづいて、リスク運転のあったドライバーを指導して改善を図りました。ドライブレコーダーで事故の証拠を残すだけでなく、事故を未然に防ぐソリューションとしての活用を意図したわけです。

——営業車は全国に70台以上ありますね。とても手間がかかりそうです。
 そのとおりです。SDカードからデータを出してレポートが整うまで、3カ月くらいかかっていました。即時性がなく、ドライバーとしては忘れたころにリスク運転を指摘されることになり、どうしても効果は薄くなってしまいます。事故削減ソリューションとしての活用は不十分でしたね。

 結局、録画ツールとして使っているだけの状態が、3年ほど続いたでしょうか。
 
——それですと、事故削減に向けた働きかけは難しいですね。
 はい、事故が減らないので、「それじゃあまずいよな」「やはり、なんとかしなきゃ」という危機感を抱いていました。

導入を決めた理由は、AIによるリスク運転検知、運転行動レポートの自動作成、事故削減サポートの迅速性


——DRIVE CHARTは、どのような経緯で導入されたのでしょうか。

 私どものグループ会社で、事故削減ソリューションを提供しているリサーチ アンド ソリューションからの提案がきっかけです。

 DRIVE CHARTは単なるドライブレコーダーでなく、AIが速度超過や急加速、急ブレーキといった運転を検知し、さらに運転行動のレポートまで自動作成すると聞き、興味を持ちました。大きな負担をかけずに事故を減らせるかもしれない、と思ったのです。

 しかも、車内を撮影するサブカメラでドライバーの顔を認識することができるので、ドライバーごとにレポートが自動的に作られるようになり、さらに脇見運転の検知までできるようになるといった点も、事故削減効果が高いと感じました。検出されるリスク運転の幅広さと、事故を減らすためのアドバイスをサポートの一環としていただける点も、魅力ですね。

 そこで、2021年の9月に、全国の全車両へ導入しました。

—— 一気に導入したのですか。ドライバーからの反応はどうだったのでしょう。
 しっかり活用したかったので、みなさんに納得してもらえるよう段階を踏んで進めました。説明会を実施して理解度を深め、使い方をきちんと文書化し、合意した上での導入、という流れです。
 録画したデータはこのように集めて、安全運転の管理者などと共有する。共有するデータはこれ。駐車中のデータは取らない、などです。「ドライバーのプライバシーに配慮した上で、ここまでなら許容範囲ですね」とお話して導入しました。支社によって若干の違いはありますが、基本的な導入スタイルは変わりません。

何よりも管理が楽になり、指導しやすくなった。導入効果も出てきている


—— DRIVE CHART導入からしばらく経過しました。現在どのように使っていらっしゃいますか。
 運転行動レポートが毎週自動的に作られ、メールで送られてくるので、その内容を確認して、リスク運転数を集計しています。
 ただ、支社や事務所のある地域によって、ドライバーの人数や走行距離、車の使用日数が大きく異なります。そこで、単純に数をみるのではなく、乗車日数ごとのリスク運転数を管理指標とすることにしました。そして、地域ごとに事情があるので、地域間では比較せず、地域内のデータにもとづいて指導するよう注意しています。
 
—— 実際に使ってみて、メリットは感じられましたか。
 最大のメリットは、人の手を介さずデータ集計とレポート作成が済む点です。とにかく管理が楽になって、業務効率も上がり、手間なく活用できるようになりました。
 運転中の映像など、生のデータもすぐにダウンロードして確認できますし、検出されるリスク運転の種類が増えたことも、使いやすさの1つですね。各支社のデータを一覧で見られて、対策を打ち出しやすくもなりました。
 
—— 支社などのレベルでは、何か運用面で工夫していらっしゃいますか。
 各支社の安全管理者が3カ月ごとにミーティングをして、レポートの報告や情報共有をしています。数字が妥当かどうか確認したり、ほかの支社がどんな運用をしているのか聞き、よい事例があれば取り入れたり、といったことがミーティングの目的です。 
 そうそう、毎月開かれる全社ミーティングでも、各支社の状況を報告していました。全社レベルで情報が共有されるので、支社の管理者は自然と意識が高くなります。
 
—— そうすると、ある支社で得られた知見が別の支社の事故削減につながる、とかありそうですね。
 はい。DRIVE CHARTと直接関係はありませんが…… 雪の多い地域の支社で、冬季は鉄道で最寄り駅まで移動してからレンタカーを使う、としていたところがあり、それを聞いた他地域の担当者が「うちでもやってみよう」といった具合です。
 DRIVE CHARTに関しては、支社から「うちのドライバーも直接レポートを確認できるよう、アクセス権限を与えてほしい」と希望されて、対応したことがあります。「こういう風に使いたいんだけど、どうだろう」という相談をサポートに持ちかけるなど、積極的に使えているのではないでしょうか。


—— ドライバーへの指導や働きかけは、どのようにしていますか。
 基本的には、毎週届くレポートを安全運行の管理者が確認して、必要に応じて指導をします。リスク運転が検知されていたら、該当する動画を確かめて、ドライバーにも見てもらうなどですね。これは、注意喚起になっていると思います。
 先日行われた全社安全管理委員会の資料によると、たとえば支社レベルでこんな対応をしていました。
 
「急後退や脇見が多いので指導したところ、改善がみられた。同様の指導を継続する」
「警報検知メールを受けたので、即日ドライバーと車両管理者に知らせて注意喚起した。また、リスク運転の増えたドライバーにも注意喚起している」
 
 いずれにしろ、明確なデータと動画があって、管理者もドライバーも客観的に確認できるので、指導しやすくなりましたね。
 
—— 導入効果は数字に表れていますか。
 導入後の10月から、リスク運転の件数が順調に下がってきました。全体的には当初の半分以下になっていて、効果が出ているな、という感触があります。
 目立つのは、脇見の減少ですね。スマホに目をやってしまうような脇見は、車内の映像を確認すると一目瞭然ですから、ドライバーも納得して止めてくれます。ついスマホを見てしまう、という癖を自分でも認識できますし。
 あとは、低速路での速度超過や、一時不停止のような法令違反が減って、しっかりと運用できているな、という印象です。ドライバーごとのリスク運転傾向も、見え始めています。
 ドライバーという点では、先ほどの脇見がよい例ですが、「自分の危ないところはどこか」と認識できるようになってきました。無意識にやってしまう癖って、ありますからね。

今はデータ収集フェーズ、今後は数値目標を立ててリスク運転削減へ


——これからどのように活用していきますか。
 具体的な数値目標を立てて、リスク運転削減の効果を高めたいと思っています。
 現在は、データを集めているフェーズで、使うことに慣れようとしている段階です。地域やドライバー個人の特性がどうだろうかとか、そのあたりのばらつきを確認しているところですね。やはり、ある程度データが揃わないと、判断できない部分がありますから。
 そこで、2023年度の1年くらいかけて、リスク運転率を管理や指導の指標にし、支社ごとやドライバーごとに目標を立ててもらう考えです。たとえば、1日あたりのリスク運転回数を××回までに抑える、といった感覚でしょうか。
 あと、ドライバー自身にレポートを確認してもらい、自ら運転の癖に気付いたり、改善方法を考えたり、という施策を採ってもよいかなと思います。

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