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2023.09.19

【セミナーレポート】管理者の負担を減らす!義務化に対応する「アルコール検知器」の選び方

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 自社の業務のために自動車を使用する「白ナンバー」の事業者について、「アルコール検知器」を用いた酒気帯び確認が、2023年12月1日からいよいよ義務化されることが決まりました。

 これまでは安全運転管理者の目視による酒気帯び確認だけで済んでいました。しかし12月以降は、アルコール検知器によるチェックも必要となります。検知器の選定や運用管理をどうしたらよいのか。頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。

 そんな中、次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』を提供する弊社では2023年8月、「管理者の負担を減らす!アルコール検知器の選定と運用管理方法」セミナーを開催しました。

 警察の飲酒検問に採用された実績もあるアルコール検知器メーカー・中央自動車工業 三井剛正さんをゲストに招き、アルコール検知器の選び方について解説してもらいました。また、DRIVE CHARTからは、酒気帯び確認の運用と車両の安全管理を負担なく実現する方法をお話しました。

 この記事では、セミナーの内容を再構成して、押さえておくべきポイントをお伝えします。

アルコール検知器にはどんな種類があるのか?

 前半は「アルコール検知器の仕組みと選び方」と題して、中央自動車工業の三井剛正さんが説明。中央自動車工業は、自動車関連用品のメーカー及び商社として70年以上の歴史を持つ会社で、2002年からアルコール検知器を製造・販売しています。

 2015年に設立されたアルコール検知器協議会の中心メンバーで、政府への提言も行っています。同社が提供するアルコール検知器は警察の飲酒検問に採用されるなど、高い信頼性が認められています。

 アルコール検知器の種類は、(1)センサーの方式(2)携帯か据置か(3)吹き込みの方式という3つの観点から分類できます。

 まず、(1)センサーの方式は「電気化学式センサー」と「半導体式ガスセンサー」の2種類があります。

「それぞれメリットとデメリットがありますが、電気化学式センサーのメリットは、アルコール検知の精度が高く、寿命が長いことです。特に、アルコール成分だけを選んで濃度の表示をするという点で、高い信頼性があります。経年劣化が少ないため、長期間にわたって測定できます」(三井さん)

 一方、デメリットとして、本体の価格が半導体式ガスセンサーの検知器よりも高いことがあげられます。また、測定にやや時間がかかるという課題もあります。

「半導体式センサーのメリットは、なんといっても価格が安いことです。また、応答性が早いため、測定時間が電気化学式に比べると短く済むという良さもあります」(三井さん)

 もう一つ、呼気の吹き込みの方式について、半導体式センサーの場合はストローなどの吹き込みだけでなく、直接吹きかけることもできるというメリットがあります。

 一方、デメリットは、電気化学式センサーに比べて、一般的に精度が低い機器が多いことがあげられます。また、特に使用状況によっては、周囲の環境の影響を受けて誤検知してしまう場合があります。

「このような特徴から、できるだけコストを抑えたい場合は半導体式センサーを選び、コンプライアンスを厳格に遵守したい場合は、多少コストがかかっても、精度の高い電気化学式センサーを選ぶ、という考え方ができます」(三井さん)

 もう一つの観点として、アルコール検知器とクラウド管理システムを連携させたい場合は、クラウドに結果が残るため精度が求められる傾向にあり、電気化学式センサーの機器を選択するのが得策といえます。

「ハンディタイプ」か、「据置タイプ」か?

 次に、(2)携帯か据置かという観点から、アルコール検知器を分類すると、「ハンディタイプ」と「据置タイプ」に分けることができます。

「ハンディタイプは、持ち運びができるアルコール検知器で、小さなスマートフォンぐらいの大きさです。据置タイプに比べると安価なので、ドライバーに1人1台持たせることもできるでしょう」(三井さん)

 また、Bluetoothを搭載している機器も多く、スマートフォンと連携させて、クラウド管理システムにデータを送信するという使い方もできます。

 一方、据置タイプは、持ち運びができない大型サイズのアルコール検知器です。事務所に一台置いておいて、会社全体で使用します。拡張性が高いので、免許証リーダーなどと連携させて使うことも可能です。

 それぞれの特徴から、ハンディタイプは、直行直帰のドライバーに持たせて使用してもらうのに適しています。また、1人1台の利用ということで、感染症対策にも有効になります。

「据置タイプはコストがかかってしまうというデメリットがありますが、アルコールチェックだけでなくて、血圧や体温の測定と合わせて、ドライバーの健康管理に役立てることができるものもあります。そのため、バスなどの緑ナンバーの事業者は据置タイプを使用しているケースが多くなっています」(三井さん)

 最後に、(3)吹き込みの方式による分類です。こちらは「オープンブロー(直接吹きかけ)」と「ストロー」と「マウスピース」の3種類があります。



 オープンブローはそのまま息を吹きかける方式で、測定が非常に簡単にできます。しかし、周囲の環境の影響を受けやすいというデメリットも。

「たとえば、医療機器メーカーの営業車に消毒用のアルコールを積んでる場合、それが揮発した成分が呼気の吹き込みのときに混じってしまって、誤検知が起きてしまうというケースがあります」(三井さん)

 ストローは、周囲の空気を巻き込むことはないので、検知の精度が高くなります。その一方で、使い捨てのストローを使用することが多いため、やや高コスト。また、地球環境への配慮という観点からもデメリットがあるといえます。

 マウスピースは、使い捨てではなく、一人一個の専用マウスピースを何度も使う方式。コストや環境面はストローよりも良いのですが、オープンブローに比べると手間がかかるという面があります。

 このように、吹き込み方式はそれぞれメリットとデメリットがあるので、現場の実情に合わせて、どの方式が望ましいか検討していただくのが良いでしょう。

アルコール検知器を選ぶときの基準とは?

 これまでアルコール検知器の種類を紹介しましたが、これらの中から、どうやって最適な検知器を選んだらいいのでしょうか。

 忘れてはいけないのが、アルコール検知器の品質です。市場に流通している機器の中には、価格が安い一方で、アルコール検知の精度に問題があるものもあります。



「品質を確認する手段として、アルコール検知器協議会の認定を取得しているかどうかを確認することをおすすめします。それを最低限の基準として、認定を取得している機器の中から、それぞれの会社にあったアルコール検知器を選んでいただくのが良いでしょう」(三井さん)

 中央自動車工業では、ハンディタイプから据置タイプまで、さまざまなアルコール検知器を製造しています。センサーも半導体式と電気化学式の両方のタイプを用意。吹き込み方式も、オープンブロー、ストロー、マウスピースのどれにも対応しています。

 どれを選ぶかは会社の実情によりますが、おすすめはクラウド連携できる機種「ネオ・ブルー」です。


「ネオ・ブルーは、電気化学式センサーを搭載している機器で、ハンディタイプと据置タイプの両方があります。クラウド管理を前提に開発した最新機種で、DRIVE CHARTと連携して使っていただくことも可能です。寿命も長く、メンテナンスも簡単というメリットがあります」(三井さん)

 ネオ・ブルーとDRIVE CHARTを組み合わせて使っていただくことで、アルコールチェック業務の効率化が図れます。また、検知の精度が高いので、業務の形骸化も防ぐことが可能です。

 半導体式センサーの検知器に比べると、機器自体のコストは高くなってしまいます。しかし、DRIVE CHARTとの連携で業務が効率化し、誤検知も減少するため、全体としてのコストは軽減されるというメリットもあります。

 そのような点も考慮して、アルコール検知器を選んでいただくのが良いでしょう。

アルコール検知器を用いた酒気帯び確認の「2つのポイント」

 セミナーの後半は、DRIVE CHARTのマーケティンググループ マネージャーの岡田拓也が「AIドラレコを活用した管理者が1クリックでアルコールチェック運用できる仕組み」というテーマでお話しました。

 2023年12月からいよいよ義務化される「アルコール検知器を用いた酒気帯び確認」。押さえるべきポイントは2つあります。

 1つ目は、酒気帯び確認の確実な運用体制の構築です。ドライバーが自動車を運転する前後で、アルコール検知器によるチェックが必要となります。抜け漏れなく実施しなければならず、事業者の負担は小さいといえません。

 2つ目は、酒気帯び確認の結果を漏れなく記録し、保管する仕組みづくりです。つまり、アルコール検知器でチェックするだけでなく、適切に記録・保管を行える体制を作ることが求められます。

アルコール検知器の選定は「運用イメージ」も頭に入れて選ぶべき

 この2つのポイントについて、事業者はどんな対策をとるべきでしょうか。

 まず、1点目の酒気帯び確認については、自社に合った「適切なアルコール検知器」と「適切な運用方法」を選ぶことが重要です。

 アルコール検知器については第一部でもありましたが、国家公安委員会が定める要件を満たすものを選定する必要があります。また設置方法の違い、検知方法の違いといったところで、性能や価格、運用のしやすさの違いが発生するので、しっかり自社に合った検知器を選ぶことが大前提になってきます。


 また自社に合った「適切な運用方法」の観点ですが、酒気帯び確認は「運転の開始前」と「運転の終了後」に実施するということが非常に大きなポイントとなってきます。つまり、どのように出庫・帰庫するかによって、ポイントが変わってきます。


 例えば事業所から一斉に出庫・帰庫する場合。毎日同じタイミングで多くの車両が出て・帰ってくるので、管理者はその時間の稼働工数が増えてしまいます。運転者からすると、検知器や管理者の数が少ない場合は待ち時間が発生し、ストレスを感じてしまうかもしれません。

 各自出庫・帰庫する場合や直行直帰の場合は、運転者の待ち時間は発生しにくい反面、酒気帯び確認を行うタイミングがバラバラとなり、その都度目視確認が発生します。管理者の負担が大きくなり、漏れも起きやすい状況になってしまいます。

 また直行直帰の場合は、リモートでの確認になりますので、不正が起きやすいといったリスクが考えられます。課題は挙げるとキリがないですが、こうした現場の事情をしっかり考慮したうえで「適切な運用方法」を選ぶことが大切になってきます。

酒気帯び確認結果の「記録と保管」はクラウド管理がオススメ

 2つ目のポイントである酒気帯び確認結果の「記録と保管」については、どのような方式で行うかということが観点です。酒気帯び確認においては、記録が必要な8項目を漏れなく記録し、その内容を1年間保管する必要があります。

 管理方法としては「紙によるアナログ管理」「エクセルなどのデジタル管理」「クラウド管理」の3種類が考えられます。

 1つ目の「紙によるアナログ管理」ですが、人の手で紙に記入するのは手間がかかってしまいますし、記入漏れや記入ミスが起こりえます。意図的に事実と違う記入をする可能性も排除できず、不正も起きやすい仕組みといえます。

 また、保管も物理的なスペースが必要だったり、管理コストがかかったりとデメリットがあります。複数の方が毎日出庫時・入庫時の1日2回行う作業ですので、膨大な紙の量になってしまい「1年間保管する」という中でも過去の記録が取り出しにくくなることも。抜け漏れがないか等のチェックも煩雑になってしまいます。

 2つ目の「エクセルなどのデジタル管理」という方法があります。こちらは紙に比べると、記録・保管ともに負担が少ないといえます。しかし、拠点ごと、運転者ごとに記録が増えるにつれて、ファイルが増えてしまい、紙管理と同様に、記録を探すのが手間になってしまいます。

 そして、3つ目の「クラウド管理」。現場の担当者の負荷を軽減しつつ、網羅的に記録していき、さらに後から参照もしやすいという点で、こちらがおすすめです。

 酒気帯び確認のフローを整理すると、01ドライバーの酒気帯び確認(検知器に息を吹きかける)→02管理者の目視確認(対面、電話、オンライン)→03管理者が記録(運転記録表など)→04運行情報との照合(未検知で走行がないかチェック)の4段階となります。



「特に04はチェックの部分ですが、実際にここをしっかりやれている会社は少ない状況です。ただ、実は一番重要な部分で、その日に酒気帯び確認をしないまま運転していた人がいないかどうか。もしチェック漏れがあれば、それを是正していくことが必要となります」(岡田)

 そこで、AIドラレコを使ってクラウド管理を行うと、DRIVE CHARTではどの車に誰が乗ったかが自動で判別されます。そのため、酒気帯び確認をしないまま運転を行うとクラウド上で自動抽出され、管理者にアラートメールを送信。漏れに気づき、ただちに是正することができます。

「さらに、ネオ・ブルーのようなクラウドと自動連携している検知器であれば、酒気帯び確認の結果を自動でアップロードしてくれるので、入力の手間が不要になります。またドライバーと車両を自動で判別するので、記録が必要な8項目のうち、運転者・車両情報の入力も要りません。管理者は1クリックで酒気帯び確認を完了させることができ、大幅な工数削減に繋がります」(岡田)

 実際の画面イメージをご紹介します。酒気帯び確認の測定結果が既に自動で入力されています。管理者は、対面や電話などでの目視確認が取れたタイミングで「登録」というボタンを押していただくだけで、1クリックで確認日時、確認方法、車両情報などの必要な記録項目を残していくことができます。



「多くの大手企業で、酒気帯び確認も含めDRIVE CHARTを活用いただいています。その理由として、酒気帯び確認と普段の日報作成を一元管理できること。そして酒気帯び確認をほぼ自動化された状態で、負担を最小限にできることを挙げていただく管理者の方が多いです」(岡田)



 ①工数の削減、②アラートによる“対応漏れ”防止、そして③業務効率化と交通事故削減の両立。この3つの価値が発揮されることで、車両管理全体の業務効率化や、事故削減による保険料などのコスト削減にまでつなげることが可能です。


 コスト削減については、3つの質問に回答するだけで分かる「導入効果シミュレーション」もご用意しているのでお試しください。DRIVE CHARTの酒気帯び確認機能についてご興味をいただいた方は、下記フォームから資料請求も可能です。お気軽にお問い合わせください。

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