DRIVE CHARTとは
2021.11.08
DRIVE CHARTの「AI」はどこが違う?リスク運転「検知精度99%」の理由を解説
DRIVE CHARTでは、AIが運転中の映像や各種センサーのデータを解析し、事故につながりかねないリスク運転を高精度で教えてくれます。AIの高い処理速度と精度は、人間にはとても真似できません。高度なAIを開発したからこそ、DRIVE CHARTは事故削減の強力なツールになったのです。開発にあたっては、DRIVE CHARTのAIエンジニアが活躍しています。今回はそのAIエンジニアたちがどのような工夫をしてきたか、DRIVE CHARTのAIの特長について解説します。
毎日記録される膨大なデータを、AIがあっという間に解析
AIドラレコに興味があるという会社であれば、複数の車両を管理されており、日々多くの時間走行していることでしょう。たとえば10台の車両だとしても、毎日それぞれ数時間分の走行データを人間が目視でチェックするとしたら、高速再生でも5分や10分では終わりません。
2021年7月の時点で、DRIVE CHARTの契約件数は約2万5000台。これだけの車両の走行映像は膨大なデータになり、人力での処理は到底不可能と言えます。しかし、DRIVE CHARTのAIであれば、あっという間に処理・解析することが可能なのです。
ただし膨大なデータを高速で処理するだけであれば、デジタル技術が発展している現在では何も珍しいことではありません。
問題は、そのデータを「正しく」処理できているかどうかです。つまりAIドラレコで言えば、膨大な量の運転データの中からリスク運転を正しく検知し、そうでない運転は検知しない「精度」が必要なのです。
99%以上が「正しい検知」
検知する結果が、どの程度信頼できるのか。それが、AIに任せる上での重要なポイントです。結果として、ただ段差を越えただけ、風で車両が揺れただけなど、リスク運転ではない映像ばかりが大量に検知されたり、逆にリスク運転自体を見落としたり、というような精度では意味がありません。
検知された結果を人間が見て、本当に振り返るべきリスク運転映像だけを「解析結果」として提供できるかどうか。それが、安全管理者の工数削減や、運転者の意識改革につながる。だから、AIの精度は重要なのです。その点、DRIVE CHARTのAIは、検知イベントの99%以上が「振り返るべきリスク運転映像」。高い精度を実現できています。
たとえば、急ハンドルの検知。従来のドライブレコーダーは、加速度センサーが基準値(しきい値)を超えて急変したかどうか、という単純な判定方法でイベントを検知します。しかし、このような単純な方法では実際には問題のない単なる段差などもイベントとして検知してしまうことがあり、管理者はこれらのイベントから不要なイベントであったかどうかを判断するという手間が必要となってしまいます。
それに対しDRIVE CHARTのAIは、リスク運転として検知すべきイベントかどうか、膨大なデータをもとに学習を繰り返してきており、これらのイベントを精度高く解析することができます。単なる段差と急ハンドルの違いも、前出の画像のように、加速度センサーの出力の違いをAIが学習しているため、前者は「検知しない」、後者は「リスク運転としてイベント検知」することが可能となっています。
単なる段差など不要なイベントが1%を大幅に下回る水準に抑えられているので、従来型のようにまずは危険な映像が無いかを探す、という手間から解放され、人間が見ても明らかに「急ハンドルだ」という映像の確認に集中することができるのです。
さらに急ハンドルのほか、他社のAIドラレコと比較しても、なかなか提供できていないような様々なリスク運転を検知し、レポートできていることが分かります。
ここからは、具体的なリスク運転パターンをどのように検知しているのか、解説していきます。
「脇見運転」を顔領域の変化から判定:ドライブレコーダー本体とサーバーの二重チェックで精度向上
運転中の脇見は、事故に直結します。スマートフォンの操作も、視線が画面へ向かうため危険です。DRIVE CHARTは、こうした脇見を検知し、一定時間継続して脇見をしている場合はリスク運転と判定します。
検知の仕組みは以下のとおりです。
まず、1つ目のAIが内向きカメラで捉えたドライバーの顔を検出し、ある瞬間、瞬間の顔領域を映像から切り出します。続いて、2つ目のAIが各顔領域を一連の時系列データとして解析。
このように時系列の変化を見るという処理によって、顔の向きや目の位置が変化したことを検知しています。脇見をしていることを悟られまいと、正面を向きながら目だけ下に向けたとしても、ごまかせません。
解析処理は基本的に本体内のAIで行いますが、脇見と思われる映像をサーバーに送り、さらに高精度なAIでも解析することで、さらに検知精度を向上させる仕組みも導入しています。
「急後退」は意外と多い事故原因:新たにトラックのレポート検知に対応
慌てていると、つい十分な後方確認をしないで後退してしまいます。事故が発生するのは、前へ進んでいるときとは限りません。後退時に起きる事故も、意外と多いのです。
急後退の判断材料は、主に車両の速度と進行方向です。速度はGPSで取得した位置情報から算出し、進行方向はセンサーで取得したデータから車両の向きを考慮して判定します。これらのデータをもとに、AIが急後退したかどうかを検知します。
GPSの情報は取得できないことがあります。例えばGPS信号が不安定となるビルの谷間などではGPSによる正確な速度推定は難しいでしょう。
そのため、DRIVE CHARTは、カメラで捉えた映像の変化を解析し、速度を検出する技術(コンピュータービジョン技術)も備えているのです。これによって、より高精度での急後退検知が可能になっています。
なお、以前から急後退は検知できていたのですが、これまで未対応であったトラック向けのレポート検知にも、2021年10月から対応しました。これによって、さらなる事故削減が可能になるでしょう。
「一時不停止」の検知は簡単でない:GPSや地図だけに頼らず、二重、三重のチェック
さらにDRIVE CHARTは、一時停止が必要な場所での不停止を、リスク運転としてレポートします。
一時停止すべき地点かどうかは、GPSで得た位置情報と、地図の一時停止情報を比較して判断します。そして、GPSデータから速度を算出して、一時停止する場所で止まったかどうか判定するわけです。
ただしこちらも、GPSの電波をうまく受信できない状況だと、正しい位置や速度が得られず、適切に判定できないこともあります。
そこで、急後退を検知する仕組みと同じように、外向きカメラの映像を利用します。映像を解析して一時停止の標識があるかどうか確認したり、映像の変化から速度を算出したりして、GPSと地図だけに頼らない検知システムを構築しました。
一見簡単に思える一時不停止の検知ですが、実用レベルの検知精度達成は簡単ではありません。DRIVE CHARTでは、AIを使ったチェック機構をいくつも重ねることで、ユーザーに信頼してもらえる検知精度を実現させているのです。
検知精度99%以上を支える、世界的に認められた優秀なAIエンジニアたち
これほど高度なAIを商用サービスとして提供できているのは、多くの優秀なAIエンジニアがDRIVE CHARTの開発、運用に従事しているからです。
GOには、実績豊富なAIエンジニアが約40名在籍しています。そして、そのなかに世界的なAIデータ分析コンテスト「Kaggle(カグル)」の成績上位者が多数所属しています。
Kaggleではコンテストで良い成績を修めた参加者に「Master」という称号が与えられますが、GOの8名がMasterの称号を獲得しています。Masterの称号保持者は参加者の1.0%に相当します。
さらに、上位0.1%に相当する「Grandmaster」という称号を、1名が獲得しています。GOで活躍しているAIエンジニアたちの実力は、お墨付きなのです。※Kaggle称号保持者は、DeNAからの出向者を含みます。
DRIVE CHARTのAIは、このようなAIエンジニアたちが開発しています。AIの技術は絶えず進化していて、実験的に使われる段階から、今や実際のサービスで頼られる存在になりました。DRIVE CHARTでは、AIを活用し、事故削減という社会課題の解決に取り組んでいます。これは、AIエンジニアにとって大きな喜びです。
事故は、運転習慣を振り返り、リスク運転を自覚することで防げます。つまり、人間の意識によって確実に事故を削減できるのです。そうした意識は、DRIVE CHARTの活用によって高まっていきます。AIと人間の力を合わせて、事故を未然に防ぎましょう。
DRIVE CHARTの導入価格について
お客様ごとに最適なご利用プランを柔軟にご用意させていただいております。必要事項を記載の上、まずはお気軽にお問い合わせください。