導入事例

2023.04.21

エイワン物流、他社AIドラレコから「切り替え」の理由——手がかからず、ドライバーに“前向きな改善”を促せる

メイン画像

 エイワン物流は、海上コンテナ運送事業会社として、2004年に神戸港を拠点に創業しました。その後、大阪港にも拠点を構え、10トン車両も導入。阪神港における輸送会社ではトップクラスの企業に成長しています。港から倉庫へ、倉庫から港へ、荷物の大きさに関わらず「安心・安全・確実・迅速に」運搬し、日本の物流を支えています。


 それを担っているのは、110名の社員と約150台の車両。「安全第一」をモットーに、数年前から他社AIドライブレコーダーを導入し、事故撲滅に力を注いできました。しかし今回、『DRIVE CHART』への切り替えを決め、間もなくすべての車両への導入が完了します。

 従来のAIドライブレコーダーで実現できたこと、実現できなかったことは何か。切り替えの決め手や『DRIVE CHART』に期待することは何か。エイワン物流営業部の浅井政輝さんと、運輸事業部の中島新治さんにお話を伺いました。

会社名 エイワン物流株式会社
業種 一般貨物自動車運送業など
保有車両数 150台
導入時期 2023年6月
導入理由 他社のAIドラレコを使っていたが、データの加工に大きな手間がかかり、サポートも不十分だった。管理者の負担を軽減し、ドライバー各自の改善を促進、さらなる事故やヒヤリハットの削減のため、DRIVE CHARTへの切り替えに踏み切った。

重大事故の撲滅を目指して、他社AIドラレコを導入

——AIドラレコを設置する前は、どのような安全対策を行っていたのでしょうか?
 まずは重大事故の撲滅、特に前方の事故の撲滅を目指して、4-5年前から月に1度安全委員会を開いていました。事務所員がリーダーになって、ドライバーを主体に、事故映像の振り返りや、実習・講習など安全のための方針づくりを行っていく。
 事故を起こしたドライバーが悪いということではなくて、“事故の原因を潰していく”ということですね。代表からも“とにかく安全第一”という言葉しかもらっていないですし、やはり運送業は1つの重大事故で全員が仕事を失うこともあり得る業界。ランニングコストをかけてでも改善していく、というスタンスではありました。
 ただ、当時は映像をSDカードに保存するドライブレコーダーは付いていましたが、点検としては月1回、車両からSDカードを持って事務所に上がり、データを格納することしかできなかった。台数も多く、運行中のカメラ故障、SDカードの故障もあるので、事故があっても映像が残っていなかったということも…。

——それで、他社AIドライブレコーダーを導入されたんですね。
 はい、“こういう商品があるから見ておいてほしい”という代表の一声で。外カメラと内向きカメラがついていて、我々としては“すごいね”と。常時録画で、GPSで車両の現在地が把握できる、車両に衝撃があるとメールで通知が来るなど、当時としては画期的でした。
 映像が保存できるし、見返せるから教育にも使える。特にドライバーの意識が変わったのは常時録画の内向きカメラでした。当初は“プライバシーが…”といった声もありましたが、事務所にもカメラは付いていますし、仕事中はきちんとしようと説得して。本人たちの意識もそちらに向いて、運転姿勢なんかもずいぶん変わりましたね。
 やっぱりどうしても乗っていくと人間“慣れ”が出てしまうんです。今までがっつり両手でハンドル握っていたドライバーが、うまく倉庫さんまで行きました。“少し余裕出てきたわ、帰りも同じ道やわ”となると、ちょっとスマホ、ちょっとテレビとなる気持ちも分からなくはないですよ。ただ、仕事をしに来ている中で、“それは違うな”と自覚しないといけない。

重大事故はほぼゼロに。しかし管理者の負担が…

——すると、導入の効果も…?
 重大事故はほぼゼロになりました。前方の事故もスピードに乗っての事故ではなく、減速したときにコツンと当たったり、出発するぞというときに少し擦ったりというヒューマンエラー的な軽微事故がほとんどでしたね。緊張感を持って運転するというのは、改めて大事だなと思いました。
 ただ不満点もあって、ドライブレコーダーからあがってくるデータは基本ローデータなので、加工しなければ“ドライバーに響くデータ”にはならない。そうした加工は現状すべてエクセルで、手作業で行っていて、これがかなりの負担なんですよね…。例えばスマホを使った回数が数字だけ載っていて、それだけを見せてもドライバーからしたら「それで?」と言われるだけなので。
 もちろん業務でもスマホは使うのですが、極端な話、標準が10回のところ1,000回使っている人がいたら、やはり業務以外の原因がある。そうした加工を行って、グラフや順位などの根拠やエビデンスを作って指導・説得していく。それを現状毎月手作業で行っていくとかなり工数が圧迫されてしまうので、何とか各自、自動でデータを見られるようにしたいというのがありました。

——その他不満点はありましたか?
 トラックには本来センター位置に、バックミラーではなくバックモニターが付いているんですが、内向きカメラもセンター位置に付けなければならず、モニターの背中と被ってしまうんです。
 苦肉の策で、バックモニターを傾けたり、別の位置に付け替えたりしているんですが、それによってバックの際に距離感を誤って右側を擦ってしまったり…ということもありました。もちろんドライバーの技能の話でもあるんですが、センター位置にバックモニターがあれば防げたとも言えるわけで。
 あとは、そうした取付位置に関しても、データの使い方に関してもサポートが全くなかったということですね。導入したらあとはお任せという感じで。なので、切り替えに関してはコストもかかりますが、ランニングで見ると安くなりますし、安全に関してもう一段前に進めていこうということで、今回の判断となりました。

『DRIVE CHART』なら手がかからず、ドライバー各自の振り返りも促せる

—— 切り替えに際して、一番『DRIVE CHART』をご評価いただいた決め手は何でしょうか?
 1番の理由が“手がかからない”ということですね。印刷物をプリントすれば、すでにデータは加工されている状態。ログインすればドライバー本人たちもスコアやリスク運転動画という形で閲覧できる環境。さらに週に1度各自にサマリーメールで管理者の手をかけなくても通知が行く。カスタマーサクセスチームからのサポートも受けられる。
 管理者の立場から見れば、効果はそのままか上がる期待を持てて、工数は削減できるので願ったり叶ったりかなと。今までは月ごとの単位で改善指導を行っていたものが、ドライバーによっては各自で週に1度振り返る機会を作れる。基本的に潰さないといけないのは“ヒヤリハット”ですから。
 ヒヤリハットはリスク運転ですが、止まれた理由がある。事故にならなかった理由があるので、1番勉強になるんです。『DRIVE CHART』はリスク運転を自動で抽出してくれて、管理者側も扱いやすい。個人の傾向やパターンも出やすいでしょうし、そういう運転の癖はおそらく自家用車に乗っているときもやっている。仕事でも、奥さんや子どもが乗っているプライベートでも、リスク運転は減らしたほうが良いんじゃないですか、という話ですよね。


——間もなく全台『DRIVE CHART』への切り替えが完了するとのことですが、運用の計画や展望はありますか?
 まずは各自で週次のサマリーメールを見て、リスクを潰していくというのが1番になると思います。従来機よりも検出されるリスク運転項目はむしろ多いので、そこからおそらく当社として必要なデータと必要でないデータが出てくる。どれをピックアップして指導に使って、改善を促していく、という作業や判断が必要かなと想定しています。
 重大事故に関しては従来機で撲滅できていたので、それを維持する形で。あとは対物事故ですよね。新人さんやキャリアが浅い人、小さな車両から大きな車両にステップアップしている人もいるので、どのようにデータを落とし込んで、どのように伝えたら良いかを工夫していきたい。


——今後、『DRIVE CHART』に期待している機能があれば、お聞かせください。
 やっぱり眠気防止ですね。もちろん点呼でドライバーの体調は確認していますが、いざ運転が始まればそこからはもう1人の世界なので、任せるしかない。天候や体調の変化、納期もありますし、仮に“少し体調が悪いな”“眠いな”と思っても、ドライバーの気性としてはなかなか止まりにくいですよね。
 切り替え前のAIドラレコでも脇見や眠気で警報は鳴っていると思うのですが、それも音に対して次第に慣れてしまう。なので、第三者の目で、リスクがあると思ったら起こす作業ができるとか、止める作業ができるとか、何か対策ができると良い。そうすると、事故もよりゼロに近づいていくのではと思います。
 “明日は我が身”という言葉がありますが、本当に運転していれば“明日は自分が事故を起こすかもしれない”というリスクは誰しもがあります。例えばヒヤリハットがあったからと言って、運転が下手だと責める・詰めるということではない。『DRIVE CHART』の活用で、そのリスクをクリアしていこう、事故をゼロにしていこうという前向きな改善を全社をあげて行っていきたいですね。

『ドライブチャート』の資料請求はこちら