導入事例

2023.12.27

【タクシー編】~Safety Driving Award 2023受賞企業に学ぶ~ DRIVE CHART活用勉強会

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 DRIVE CHARTでは、効果的な事故削減に取り組む企業を表彰する「Safety Driving Award 2023」を2023年10月に発表。2回目となる「Safety Driving Award」ですが、今年は“受賞企業の取り組みを、より多くの企業に広めたい”と、『受賞企業に学ぶ DRIVE CHART活用勉強会』を開催いたしました。


 「一般営業車両」編、「トラック」編、「タクシー」編の3開催合わせて約500名の方々にご参加いただき、交通安全対策に取り組む受賞企業の効果的な取り組み事例をお聞きいただきました。

 受賞企業は、“走行距離1,000kmあたりのリスク運転数が少ない企業上位3社”で、「タクシー」部門では、帝都自動車交通、宝交通、飛鳥交通が選出されています。

 今回の記事では、同3社から発表いただいた交通安全対策に効果的な取り組みを、一部抜粋してご紹介いたします。

帝都自動車交通様~「会社の宝」であるドライバーを守るために

 最初にプレゼンいただいたのは、2年連続でグランプリ受賞となった帝都自動車交通・石田健司様。DRIVE CHART導入当初は、ドライバーから「AIによる監視が始まったのでは?」といった噂が絶えなかったそうです。そのため、しっかりと乗務前点呼でリスク運転動画を再生し、「DRIVE CHARTは安全運転のために導入している」と強く伝えていったとのこと。

 そのうえで、3つの活用ポイントを挙げていただきました。1つ目は「ドライバー自身でのリスク運転動画の閲覧促進」です。まずは所長・副所長から声がけを行い、営業所全体で共通のリスク運転削減目標を共有します。そのうえで点呼時にはDRIVE CHARTにアップロードされたリスク運転動画を見せ、「自分はどうなんだろう?」と当事者意識を持たせ、リスク運転動画を自身で確認する“きっかけ”を与えます。

 2つ目のポイントは「班別運用による当事者意識の向上」です。リスク運転は日々、相当数上がってくるため、全体的な指導では改善が見込めず、営業所ごと・班ごと・個人ごとの指導が必要です。例えば「運転スコア合計750点以上」「動画閲覧率80%以上」といった共通目標を営業所で設定、運行管理者を各班に割り振り、各々の判断で指導を行い、ドライバーの安全運転意識向上を目指します。班別のリスク運転検出率を数値で共有し指導に役立ててもらうなど行った結果、リスク運転動画は劇的に減り始めていきました。

 そうした減少傾向を支えているのが、3つ目のポイント「コミュニケーションの工夫」です。点呼時に閲覧を呼びかけるほか、マンツーマンでの振り返りを行い、成績優秀者を班ごと、個人ごとに表彰。日ごろからドライバー1人1人と“近い親戚”のように接し、信頼してもらうことが、指導のしやすさや効果の出やすさに繋がっているようです。

「ドライバーは会社の宝です。全員が血の通った人間です。私はこれからもずっとドライバーを大事に守るため、交通事故を無くすという運行管理者の基本理念に沿い、DRIVE CHARTを活用した指導を続けていきます」(石田様)

宝交通様~「粘り強い・根気強い」導入時の説得で、リスク運転大幅削減

 続いては、宝交通の大藪宏美様にDRIVE CHART活用3つのポイントをお話いただきました。宝交通では、2020年にDRIVE CHARTを導入いただきました。その際にまずは1つ目のポイント「管理者・ドライバーの意識改革」を念頭に、導入の目的の共有を丁寧に行っていったとのこと。

 当初は管理者から「リスク運転を減らせば事故が減るなんて本当かな」、ドライバーから「監視されているみたいで嫌だ」など、反発が大きかったと言います。半年ほどかけて、粘り強く・根気強くDRIVE CHARTの有効性を説明しつづけ、管理者からドライバーに目的を説明して説得してもらいました。その結果、導入から3年が経過した現在、管理者・ドライバーともに意欲的にリスク運転削減に取り組んでおり、リスク運転自体も大幅に削減できているとのことです。

 2点目のポイントとして、「リスク運転削減への具体的な施策」をご紹介いただきました。リスク運転一覧を個人別に集計し、“声がけ・手渡し”をしながら配布。まずはドライバー自身のリスク運転に関心を持ってもらうところから始めたそうです。

 さらに、週次サマリーメールをもとに、リスク運転が多かったドライバーへの声がけを実施。特に重点目標である脇見、一時不停止、速度超過の多いドライバーには、個別指導(月1回・安全サービス研修)で、リスク運転動画の閲覧や削減するにはどうしたら良いかのディスカッションなどを実施しています。そのうえでリスク運転を削減できたドライバーに向けて、半年に1度「安全ドライバー表彰」を行っているとのこと。

 さらに3点目「事故削減以外での活用」についてもご説明がありました。クレーム・トラブル発生時は「遠隔動画取得」で素早く対応できているとのこと。さらに衝撃検知があった際は、管理者がすぐに動画をチェック、万が一事故であった場合は、ドライバーの連絡を待たずに迅速な事故対応が可能になっています。さらにリスク運転確認時に、接遇や運転マナーもあわせて確認・指導し、サービス向上に努めているとのことです。

「宝タクシーはこれからも名古屋で、一番安全運転で、接客サービスが良く、お客様に選んでいただけるタクシー会社を目指して、DRIVE CHARTの活用を続けていきたいと思っています」(大藪様)

飛鳥交通様~「ドライバーへの手紙」と声かけで、リスク運転を確実に認識させる

 続いてのプレゼンは、飛鳥交通の寺島賢司様。4点の「DRIVE CHART活用のポイント」に沿って、ご説明いただきました。

 1つ目は「重点項目の設定」です。同社ではグループ全体として「一時不停止撲滅」を目標として設定。運行管理者とドライバーが出庫時にリスク映像を確認し指導した回数を、DRIVE CHARTの周知も兼ねてグループ内で共有しているそうです。

 2つ目のポイント「ドライバーへの手紙」は一時不停止によるリスク運転が1件検知された際にドライバー証に「手紙」を入れる形で運用されています。手紙の内容には、DRIVE CHARTのデータから一時不停止以外のリスク運転回数も記載しています。また“60日以内に3回”手紙をもらったドライバーに対しては、出勤時に管理者と共に動画確認をする指導を行っています。

 さらに3つ目のポイント「サマリーレポートの活用」により、毎週月曜日に“ワースト20名”のランキングを、名前を伏せドライバーコードのみの形で営業所に掲示。ドライバーには自身の順位確認、他のドライバーとの比較をできるようにしているとのこと。特にワースト3名のドライバーには、リスク運転の内容が記載された個別の手紙を渡して、管理者から直接声かけも行っています。

「これらすべての施策は“ドライバーのために“という考えに繋がっています。ドライバーが自身のリスク運転を認識し、事故や違反につながるリスク運転を削減することで、ドライバーさんの免許証も、ドライバーさん自身も守ることに繋がるのではないかと考えております」(寺島様)

質問への回答パート

 各社の発表の後には、視聴者である他のDRIVE CHART導入企業よりあがった質問への回答パートを行いました。「ドライバーのモチベーションを高めるコミュニケーション方法」「多忙な管理者が、効率的・効果的にDRIVE CHARTを利用する方法」「動画を見ながらの具体的な声かけ方法」についてのご質問に対して、登壇者から回答がありました。

 DRIVE CHARTでは今後も、より活用いただくための勉強会、セミナーなどを積極的に開催していき、社会のリスク運転削減、事故削減に貢献していきたいと考えています。

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