導入事例
2026.05.22
マックスガイ、『DRIVE CHART』導入3か月で脇見運転を大幅削減 短期で成果を出せた「行動変容5つのステップ」とは

マックスガイは、ブランド品・時計・骨董品等の買取専門店「THE GOLD(ザ・ゴールド)」や、「東京エムジーオークション」など、国内外でリユース事業を展開しています。
「THE GOLD」は全国に店舗があり、出張料・査定料無料の出張買取も実施。生活道路を運転する機会も多いため「社用車の安全運行」を最優先事項として掲げています。
その「安全運行」をさらに加速するため、2024年に導入されたのが『DRIVE CHART』です。これまでの企業文化を大きく変えてでも安全運転を最優先課題と位置づけ、経営層から全社へ呼びかけ、明確なルール作りを通じて現場への浸透を図りました。
その結果、走行距離1,000kmあたりのリスク運転頻度の大きな削減に成功。『DRIVE CHART Award 2025』でも、一般車両部門「第3位」を受賞されました。
受賞企業の取り組みを共有し学びに繋げることを目的に2026年2月に開催した『DRIVE CHART STARS 講演会2025』にもご登壇いただき、その活用方法を「マックスガイ流・行動変容5つのステップ」として、同社営業部 店舗開発チームの中村比左夫さんにご講演いただきました。
会社名 株式会社マックスガイ
業種 貴金属、アクセサリー、宝石、時計、バッグ、袋物、装飾品、皮革製品、小物品等の買取及び販売など
保有車両数 約223台
導入時期 2024年7月
導入目的・課題
・「電話には即対応」文化があることで、「脇見運転」が発生しやすい構造
・SDカード抜き打ち検査だけでは、意識改善への限界を実感
・事業を揺るがすリスクになりかねないと経営陣も重要視
導入後の取り組み
・導入背景にある危機感と目的を、経営陣から全社に直接発信
・管理者・ドライバー双方が無理なく継続できる、シンプルな動画閲覧ルール策定
・リスク運転動画を活用した指導方法、振り返り方法の確立
・現場の納得感を得るため、統一した基準での「飴と鞭」の制度設計
導入効果
・導入後わずか3か月で「脇見運転」68%削減
・リスク運転全体の件数が、業界平均を大きく下回る水準まで低下
・会社全体として安全対策にかける工数削減にも繋がる
「お客様や本部の電話には即対応」文化が招く「脇見運転」を撲滅へ
中村様 当社では、着物や骨董品などの大量買取や、寄付品の引き取りを行うため、社用車による訪問出張が不可欠です。事故防止のための管理の徹底が課題としてありました。
一方で、サービスの品質向上のためにもお客様や本部の密からの「電話は即対応」文化が現場に根付いていました。それにより「脇見運転」が発生しやすい構造が起きており、経営層も問題視していました。
当時は、ランダムに選んだ車両からSDカードを抜き出して目視で確認を行っていましたが、100台以上の社用車がありましたので管理には膨大な時間がかかってしまいます。「脇見運転(ながらスマホ)」が起きても、タイムリーに指摘できないことも課題でした。
加えて、「脇見運転」が見つかったとしても、ドライバーは「たまたま運悪く抜き打ち検査に当たっただけ」という不公平感が募り、反省に繋がりづらい状況でした。発見次第、厳重に注意し報告書を出させるようにしていましたが、安全運転の浸透にはつながりませんでした。
しかし、社員と事業、そしてお客様を守るためにも、会社が仕組みそのものを変えなければなりません。真に組織の意識と行動を変革するには、「経営層と現場の温度差」や「安全運転と業務効率のジレンマ」を解消し、私たちの業務特性に最適化した「安全管理の再定義」が必要です。重大事故が一度起きてしまえば、当事者に大きな被害があるばかりか、企業イメージの失墜や会社の存続にも関わってくると危機意識を持っていました。
そこでAIドラレコを比較検討した結果、見出したのが『DRIVE CHART』でした。「ながらスマホ」が一番の課題である中、「脇見運転」を検知できたのが一番の決め手となりました。当初は全台に取り付けが完了してから運用を行う予定でしたが、テスト運用の段階から多くのリスク運転が検知され「これは放置できない」と導入が完了した拠点から随時、運用を開始することにしました。
安全運転を最優先に…「マックスガイ流・行動変容5つのステップ」

中村様 導入初期は、目的や危機感を共有することに注力しました。具体的には「脇見運転(ながらスマホ)の撲滅!」という強いメッセージを経営層から打ち出しました。『DRIVE CHART』導入前から計画を行い、「社用車による事故が自社や業界に与える影響」、さらに「ドライバー自身の安全を守りたいこと」についても、朝礼やビデオレターなどで経営陣から直接ドライバーへ伝え続けました。
そのうえで具体的な業務プロセスについても、「電話は即レス」の文化を、安全を最優先にした「停車後の折り返し」に変更しました。信号待ちの電話も「ながらスマホ」扱いにし、安全な場所へ停車してからしか電話はできないとし、安全運転が最優先であると統一して発信し続けました。
その後には日常業務の中でも運用できるシンプルなルール作りをしました。従来のSDカード抜き打ちに不公平感があったことを踏まえて、現場の管理者には、リスク運転動画があがってきたら「必ず当日中に確認」することをルール化しています。鮮度が高いうちにドライバーと対話でき、どのような時に指導されるかの理解が進むようにしました。
またドライバーにも、次の出勤日までに必ず自分の運転・動画を振り返る時間を作ってもらい、特に自身のリスク運転動画に関しては100%必ず確認してもらうことを一番のルールとしました。これにより、従来の管理体制よりも、納得感と実効性の高い運転改善を行うことができます。
さらに共通の評価基準として「イエローカード/レッドカード制」を導入し、人事評価にも連動させることで「安全運転は最優先事項」であるというメッセージを発信しました。こういった明確な基準を作ることで、従来の不公平感が解消され現場にも納得感が生まれたように思います。
たとえば速度超過なら30km/hオーバーのリスク運転が1度検知されたらイエローカード、同一期間内で2度検知されたらレッドカードになります。40km/hオーバーならば一発でレッドカード…といった具合で基準を定めました。もちろん「脇見運転」は一番厳しくしており、それ以上に厳しい処分を加えるなど、当社にとって解決したい課題に沿ったルール設定を行っています。
また管理者がドライバーに指導するという関係ではなく、安全運転を文化にするために、ともに振り返りをしながら成長しようというスタンスで向き合ってもらうことを重視しました。リスク運転も「カーナビを注視してしまう」「つい手がスマホに伸びている」など、ドライバー自身では気づかない運転の癖がありますが、管理者と一緒になって客観的に動画を確認することで、自身の運転の癖に気づき、自律的に修正していけるようになったのではと思います。
さらにもうひとつ客観的な振り返りの機会として、イエロー・レッドカード(危険運転)に抵触、もしくはリスク動画10回以上、月間スコア80点以下のドライバーにはレポートの提出を義務付けました。
導入当初こそ、ドライバー約200名のうちの10名ほどがレポート提出の対象でしたが、今は数名ほどと少なくなっています。「動画を確認し、なぜそうなったかを振り返る」ことで、客観的・相対的に自身の運転について把握し改善できるようになり、指導の工数も減っていったと感じています。
また振り返り以外の仕組みを通じても、安全を文化として根付かせることも工夫しました。具体的には全社員が閲覧可能なグループウェアの掲示板に、イエローカード・レッドカードに抵触するリスク運転動画を管理者が共有する仕組みです。全社で「どのような運転をしてはいけないのか」「なぜ危険なのか」を共通認識にすることを目指した取り組みです。自分はこのような運転をしてはいけない、と日常的に想像できるようにしています。
さらに部門ごとのリスク運転発生回数も定期的に全社で共有し、他部門との比較や自部署の傾向を客観的に把握できるようにしています。さらに、そういった「鞭」ばかりではなく、「飴」の部分――安全運転を称える表彰制度も『DRIVE CHART』導入当初から作りました。
一定期間のリスク運転・事故ゼロに対して表彰し、3か月、1年単位でそれぞれ賞与を出しています。安全運転へ貢献してくれたことをきちんと正当に評価し、明確な基準と評価で納得感を生み出すようにしています。
協力、基準、仲間…マックスガイ流・事故削減の近道とは?
中村様 このような「5つのステップ」を実行した結果、『DRIVE CHART』導入3か月で最大の目標であった「脇見運転」の回数を68%削減と、大きく成果を出すことができました。現在はリスク運転数全体で見ても、導入企業全体・物流業界全体と比較しても大きく減らすことができています。
導入直後から確実な成果を上げるためのポイントは、大きく3つあると考えています。
1つ目は、「全社的な目標の共有」です。導入によって何を成し遂げたいのかという狙いを明確に示しました。
2つ目は、「客観的なデータに基づく指導体制の確立」です。『DRIVE CHART』が検出するリスク運転動画を判断基準とすることで、指導のムラをなくし、管理者・ドライバー双方が主観に頼らない、再現性の高い改善が可能になりました。
3つ目は、「現場の納得感を高める評価ルールの統一」です。「褒める・叱る」の基準を明確にし、公平性を担保しました。
当社の場合は「ながらスマホ」をはじめとするリスク運転への危機意識を経営層・管理職も含めてしっかりと共有できたために、導入からスタートダッシュを切ることができたと思っています。これまで注力してきたリスク運転動画の閲覧率も90%に達していますが、100%に向上させるべく現場管理職と連携して更なるルール浸透を進めています。
最後に、こうした成果をあげるには導入責任者ひとりの力だけでは難しかったと思います。全社を挙げた協力体制、リスク運転動画という動かぬ証拠、そして明確な評価基準。これらが揃い、経営層・本社・現場がひとつの「仲間」として、鮮度の高い情報(動画)をもとに支援・指導し合える関係を築けたこと。これらがあったからこそ、最短距離を走って事故削減に繋げられると思っています。