導入事例

2026.07.31

現場の「プロ意識」を呼び覚ます!『DRIVE CHART』導入がドライバーの心と自覚を変えた 熱意と報酬制度が伝える「安全マネジメントの極意」とは?~DRIVE CHART STARS講演会レポート

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クロス企画は九州全域で、内装材を幅広く扱うインテリア総合商社・サンゲツグループの物流を担っています。


倉庫にて出荷業務を行い、キャラバンや2t車で福岡市内へ。あるいは、2t車や4t車で九州全域へ。「必要な商品を必要な分だけ、すぐに欲しい」というニーズに応える地域に根差した配送システムを構築し、安全・迅速そして安定的な物流サービスを提供しています。

標榜しているのは「Safety First 安全かつ確実に目的地へ」。「利益よりも安全を優先させなければ」という経営層の熱量のもと2025年1月に『DRIVE CHART』を導入し、指導の強化だけでなくドライバーのやる気を促すインセンティブ設計を行いました。

すると導入初月から8割以上のリスク運転の削減に成功し、1年後には削減率99.7%に。『DRIVE CHART Award 2025』の物流部門では見事「新人王」に輝きました。

このたび行われた『DRIVE CHART STARS 講演会2025』では、活用方法・成果の出し方を「現場の『プロ意識』を呼び覚ます安全マネジメントの極意」として、同社経営企画部の橋潤司さんにご講演いただきました。


会社名 株式会社クロス企画
業種 貨物自動車運送事業、荷造梱包および解梱事業、工場・倉庫内の諸作業
保有車両数 約45台
導入時期 2025年1月

導入目的・課題
・若手・未経験者の採用で、事故件数が増加
・安全対策も、事故後の事後対応が中心
・原因を追究し、事故を未然に防ぎたい

導入後の取り組み
・社長自らがセミナー、グループLINE、声かけなどで安全を呼びかけ
・社長のみならず、運行管理者から現場管理者まで“面”での指導
・月単位・日単位を合わせたインセンティブ制度(安全運転手当)の導入

導入効果
・リスク運転は導入1か月で88.3%、1年で99.7%削減
・事故が軽微化し、リスク運転項目の延長での事故はほぼゼロに
・ドライバーが主体的に安全を追究し「プロ意識」が醸成

若手や未経験者の事故を「未然に」防ぐために


橋様 当社は1995年の創業から一貫して、九州地区全域の内装材をメインに物流サービスを提供してきました。2022年10月にサンゲツのグループ企業になり、組織基盤の強化を進めてまいりました。

若手や未経験者を積極的に採用し、若返り・活気のある企業に変わった一方で、追突や出合い頭、後退時の接触といった交通事故が断続的に発生し、事故件数も増加に転じてしまいました。ここで安全対策として、3つの課題が浮上してきます。


まず1つ目は皆様もよく感じられるところかと思いますが、対応が後手に回ってしまうということ。当時はドライブレコーダーのSDカードを抜いて、その映像に対して指導をするという事故後の安全対策が中心となっていました。同じ事故の再発防止にはなりますが、その他の事故リスクのバリエーションに対しては対応しにくくなっています。

2つ目は「傾向への対策不足」。適性検査の内容をフィードバックするなどの対応を打ってきたのですが、具体的な原因の指摘にはなりづらかったです。「君はこういう結果だからバック事故が多い。次から気を付けてね」「はい、気を付けます」という、抽象的なやり取りで終わっていたところがひとつの課題だと思っていました。

全体的な安全目標も抽象的であった点が3つ目です。「今月も安全運転で行きましょう」と掲げても、ドライバーからすると「また言っている」と捉えられていたように思います。他人事として捉えられて日々のモチベーションが上がらず、結果として原因が分からない・行動が変わらない・同じ人が事故を繰り返す…という点が課題でした。

「どうしたらドライバーの運転の癖が可視化できるのか…」。そこでツールを模索していたところ、親会社サンゲツが『DRIVE CHART』のトライアル導入を決めていたこと、取引先のセイコー運輸さんが既に導入しており実績も出ていたことが決め手となり、当社も『DRIVE CHART』の導入を決定しました。

『DRIVE CHART』にはインカメラ(車内カメラ)があり、プライバシーを奪うのではという形で導入を躊躇されることもあると時々聞いていました。しかし当社では、経営層の「事故から社員を守りたい」という思いが熱量を持って伝わったこと、『DRIVE CHART』はリスク運転だけをAIが引っ張ってくる・そもそもリスク運転をしなければ問題ないというところで納得してもらった部分があると思います。

経営層の熱量とインセンティブ制度で「本気度」を伝える


『DRIVE CHART』導入と時を同じくして、経営層が大きな決断を下しました。安全を単なる「義務」ではなく、会社の信頼を支える「最大の付加価値」と位置付けることを決めたのです。安全管理のあり方をアップデートしていくということで、ひとつは「報酬制度」の導入を決定し、さらに経営層から「強力なメッセージ」の発信を行いました。


社長自らが全社会議で方針を説明するだけでなく、全社員向けのグループLINEを作って定期的に注意喚起を入れたり、場合によっては個別のヒアリングを行ったり。内容についても頭ごなしにダメだと言うわけではなく、事故を起こしてしまったときのリスクを懇々と説明していました。従来は社長自身がそこまで社員全体に関知することはなかったのですが、会社の本気度を現場に浸透させた大きな要因になったと思います。

そのような形で熱意が浸透していき、運行管理者である専務からも、現場管理者の課長からも、または私からもリスク運転に対して“面”で注意することができるようになり、会社全体の本気度がドライバーに伝わったのではと思っています。

安全意識の向上をさらに加速させようと、2025年6月からは報酬制度(インセンティブ制度)を導入しています。経営層の発信の効果だけに頼るには「継続の壁」があります。最初の熱量から、いかに他のものをつけ足して「現場の習慣化」を図るかということで「インセンティブ」の設計を模索しました。


『DRIVE CHART』にはリスク運転8項目の100点満点スコアが付けられています。その月間スコアが98点を超えた者に報酬を与えるという月次報酬の制度を導入しました。当時の水準で「98点以上」は、約8割のドライバーが達成していましたので、まずは成功体験を作っていこうということで始めています。

さらに『DRIVE CHART』は毎日振り返りを行ってもらうことが重要ですので、日単位でも「100点満点」を取ったドライバーに対してデイリーインセンティブを設定しました。1日8項目が全部満点であれば与えられる制度で、毎日の運転への興味と集中力を高めることができました。ただ、例えば事故や違反などが発生した場合には、評価がリセットされてしまうという厳格な運用も持ち合わせています。

また、ドライバーだけではなく、チームできちんと盛り上げていけるように管理者にも報酬を設定しました。担当チームの平均が98点以上だった場合や、リスク運転項目ごとに100点満点があった場合などにプラス評価されます。「課全体で抜け落ちる人がいないように」。そのような設計思想で、管理側としてもくまなく全体で盛り上げて指導していけるよう仕組み化しました。

ドライバーの変化…目標が具体的になり「オール満点者」も出現


『DRIVE CHART』での指導は、すごくピンポイントに行いやすいという点がメリットとして大きいです。たとえばAさんは「車間距離を開けない傾向にある」、Bさんは「速度超過しがち」など、指導する前にドライバーの癖が分かるので、「ここ気を付けようね」と管理側が指摘しやすくなっています。

そして報酬制度によって、ドライバーの意識の変化が少しずつ起こってきました。一番驚いたのは「あと1点で満点だったのに」と本気で悔しがっている姿を目にしたことです。また、別の者が私に問いかけてきたのは、「どの位置でマイナスになったか分かれば、そこで気を付けるんですが」。リスク運転に対しての個々の課題が具体的になり、意識が高まってきたと思います。


朝礼では、社員が短い発表をします。以前は「事故をしないよう頑張ります」といった抽象的で漠然とした発言が多かったです。しかし現在では「先週は脇見でリスク運転を検知されてしまったので、今週は脇見の満点を目指して頑張ります」と、具体的に目標をあげるドライバーが非常に増えてきました。

他にも主体的に安全運転について話している会話が増え、課内で「こうすると減点されにくいよ」といった社員間での安全運転に関するコミュニケーションも発生しています。制度導入前は、“100点満点を1日取るだけでも大変だよ”と話していましたが、2025年末についに初めて、月次も100点、日次も毎日100点のオール満点者が1名出現しました。

さらにサンゲツグループ内でも『DRIVE CHART』を3社導入していまして、親会社が主導して月間のグループ内ランキングを送ってきてくれます。施策が奏功して当社が上位にいることが多いので、社内では「上位を独占しよう!」といった連帯感も生まれてきました。

このような『DRIVE CHART』での振り返りに加えて、実際に起きた他社の事故動画をケーススタディで、毎月の法定12項目の会議の中でドライバーに見てもらっています。疑似の事故体験をインプットして、事故を「自分ごと」に変換していき、そのうえで『DRIVE CHART』で自分のリスク運転やヒヤリハット動画と照らし合わせて、運転の弱点をピンポイントで矯正していく「二枚看板の教育」を実践しています。

「個々の自覚」を持ち、「自分の心」を変えて事故を防ぐ


「どんなにハード面にお金をかけても、最終的には個々の自覚が変わらなければ事故はなくならない。“やろうと思っていました”では事故は減らない。個々の自覚を持つためには、実際に自分の心を変えて、個々がきちんと理解しなければ事故を防ぐことはできない」

と、よく当社社長は言います。実際に1年ちょっと前、『DRIVE CHART』の導入をドライバーに通知せず、2024年12月に1か月間だけテストしてみました。何の自覚もない状態で検知されたリスク運転は約4,000件。


それが現在では99.7%の削減、リスク運転件数は月にほぼ20件を切るという形に減ってきました。私共からしても劇的な削減ができたと思います。

バックの事故や判断ミスといった軽微な自損事故はまだまだ減らさなければなりませんが、リスク運転項目の延長の大きな事故はほとんど無くなってきています。車間距離を取ったり、速度超過が減ったりという効果で、当たっても大きな衝撃になっていないということなのでしょう。


『DRIVE CHART』は最新のテクノロジーであるのは間違いないですが、あくまで手段です。最終的に事故を防ぐのはドライバーの自覚であり、そのために行動を変えることが一番大事だというのは、社長も常々言っていることです。

会社が個々の行動に寄り添って、プロとしての誇りを支え続けていくことが安全マネジメントの核心です。大切な社員とその家族を守って、これからもお客様に選ばれ続ける企業を目指していきたいと考えております。

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