2021.09.06

発報だけで事故は減らない——事故を削減する本質的な警報機能の活用法

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一定の速度を超えるとドライバーに画面表示や音声で警告するカーナビがあるように、ドラレコにも危険な運転をしていると警報が鳴る機能が付いています。 警報の役割は、危険運転の抑制・中断です。耳をつんざくような音が車内に鳴り響いたら、大半のドライバーが自身の運転をあらためるでしょう。しかし、「警報機能が付いているドラレコを利用すれば、ドライバーの安全に対する意識が変わり危険運転も減って事故削減につながる」と解釈するのは、早計です。その理由を、DRIVE CHARTの事例や先月リリースされた脇見警報機能の話題を交えながら、解説します。

そもそも、ドラレコの警報機能とは?

非通信型ドラレコ(第1世代)・通信型ドラレコ(第2世代)といった従来のドラレコでは、急ブレーキ、急ハンドルや速度超過の場面で、警報が鳴ります。一方、AIドラレコ(第3世代)は、AIが映像を分析し危険の予兆を察知した場合に、発報します。

ドラレコの世代別の比較はこちら



具体的な発報の環境・条件は、

●内向きカメラ:ドライバーの状態を分析し、脇見や眠気などを察知
●外向きカメラ:前方の状況を分析し、あおり運転や衝突の予兆、ふらつきなどを検知

です。



また、AIドラレコは、その場で警報が鳴るだけの製品もあれば、警報+WEB上から動画で発報シーンを振り返れる製品もあります。

なお、AIの分析精度と発報ルールは製品ごとの差が大きいため、一概に「警報が鳴る頻度が多い=良いAIドラレコ」といいきれないのも事実です。ドラレコの導入目的を踏まえ、自社にとってどのような警報機能が最適なのか、トライアルなどで導入前に確認・検討するようにしましょう。

警報機能のメリット


新たに追加された脇見警報機能。2021年7月末より、リリース

ドラレコの警報機能は、ドライバーと安全運転管理者それぞれに異なる便益をもたらします。

ドライバーのメリット

運転に限ったことではありませんが、自分の悪癖に自分自身で気付くのは、難しいもの。第三者から指摘されて初めて「自分にそんな癖があったんだ……」と気付くことがあるように、当人の危険運転をその場で認識させて中断できるのは、警報機能だからこそ提供できるメリットです。

安全運転管理者のメリット

発報を安全運転管理者がリアルタイムで気付けるドラレコの場合、即時でドライバーに具体的な指示が出せます。これは、常にドライバー一人ひとりと密なコミュニケーションがとれるわけではなく、全台の運行状況を常時把握することに限界がある安全運転管理者にとって、とても大きなメリットです。

過去、DRIVE CHARTで、あおり運転で発報したリアルタイム映像を見た安全運転管理者が、焦って運転をしているドライバーに「荷主に遅れることを連絡しておいたからゆっくり運転をして大丈夫だよ」と指示を出したケースがありました。リアルタイムで注意喚起をしたことでドライバーの目の前に迫りつつある危険が回避できた好例です。

運転を“正す”機能じゃない——警報機能は安全運転指導と組み合わせることで効果が最大化

「警報機能(発報)=指導」だと勘違いをする安全運転管理者の方がいますが、そうではありません。あくまで警報はドライバーに危険運転を気付かせ、一時的に危険運転の中断を促すための手段。「ドライバー運転を正す機能」ではないのです。事実、DRIVE CHARTも発報しただけでは改善効果が薄く、安全運転管理者の指導が入って初めて効果が見られるケースが大半を占めています。

DRIVE CHARTの警報機能を活用した安全運転指導例として、「WEB上にアップされた発報シーンの動画を見ながら、その当時の様子をドライバーと一緒に振り返り、警報が鳴った原因の追求や運転の危険性をしっかりと考察して、再発防止策を検討・実践する」といったものがあります。

反対に「危険な運転をしたときに警報が鳴る仕組みがあれば、ドライバーの事故は減るだろう」と楽観的に考え、警報機能に任せきりにすると、どうなるでしょうか? よく懸念されるのは、発報しても何も感じなくなる“不感症ドライバー”を生むリスクです。“慣れ”から発報を無視するようになり、自らの危険運転を中断しなくなるのは、最悪のケースといえるでしょう。

「警報機能があるから、事故は削減できる」という考えでは、事故は減りません。警報機能を活用して事故を減らすためには、安全運転指導と組み合わせて取り組むことが、最も重要です。併せて、ドライバー自らが警報機能をきっかけに客観的な視点で自身の運転を見つめ直し、「自分の運転は危険だから、改善しよう」と意識を変革することも、事故削減に必要な心掛けです。

DRIVE CHARTの警報機能

DRIVE CHARTには、ドライバーにリアルタイムで注意喚起をする警報として、車間距離が著しく短い場合に発報する車間距離警報、衝突する危険性がある場合に前方車両や二輪車との相対速度を捉えて発報する衝突警報、そしてリリースされたばかりの脇見警報を提供しています。

上述の通り、「警報機能があれば、事故削減ができる」わけではありません。警報機能の活用と安全運転管理者指導、両輪での取り組みが事故削減の効果を生むために必要な行動です。

脇見機能をはじめとするDRIVE CHARTの警報機能×安全運転指導、事故削減の取り組み、トライアル導入に興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

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執筆
DRIVE CHART編集部
編集
DRIVE CHART編集部