お役立ち
2022.08.05
アルコールチェック業務を今のうちに効率化 ポイントは働き方に合わせた運用体制とツール活用の組み合わせ
道路交通法施行規則の改正によって、2022年4月から「白ナンバー」の自動車を使う事業者も、ドライバーのアルコールチェックが義務化されました。安全運転管理者とドライバーの双方の負担が増したことを実感している事業者のみなさんも多いと思います。
一方で、2022年10月から予定されていたアルコール検知器による確認の義務化については延期となることが警察庁から発表されました。警察庁からのパブリックコメントにて「「道路交通法施行規則及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の施行に伴う道路交通法施行規則の規定の読替えに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」について検討」しているとあり、その改正内容の1つを下記としています。
最近のアルコール検知器の供給状況等を踏まえ、当分の間、安全運転管理者に対するアルコール検知器の使用義務化に係る規定を適用しないこととすること
「アルコール検知器の供給状況等を踏まえ」たとありますが、実際に10月の実施に向けて検討されていた方々の中では、在庫状況が原因で選択肢が限られてしまっていたという方もいるのでは。改めてこの機会に、自社に最適な運用体制を整理できるよう、アルコール検知器を使った確認や記録の保存についてチェックポイントを考えてみましょう。
ケース別の課題
今回、運送業以外の事業者でも安全運転管理者がいる場合は、自動車を運転する社員のアルコールチェックをすることが義務化されました。その内容は、次のように2段階に分かれています。
2022年4月1日からは、(1)目視等で運転手の酒気帯びの有無を、運転前後について確認することと(2)酒気帯び確認の記録を1年間保存することが必要に。
そして時期は延期となりましたが、(1)アルコール検知器を用い、運転手の酒気帯びの有無を、運転前後について確認することと(2)アルコール検知器を常時有効に保有することも求められるようになる予定です。
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これらの義務を果たすため、それぞれの会社でアルコールチェックの運用が始まっています。その中で多くの課題がわかってきました。どんな課題があるのか、働き方ごとに見てみましょう。
(1)一斉に出庫 / 帰庫するケース
社員が同時に、会社から社有車で一斉に出庫し、帰庫も同じような時間帯になる場合は、ドライバーの集団点呼などで酒気帯びの有無をまとめてチェックするタイミングが確保されていることが多いので、確認漏れは起きにくいといえます。
また、義務化が予定されているアルコール検知器による確認については、据え置き型のアルコール検知器を導入すれば対応できるでしょう。
しかし、検知器やチェック担当者の数が不十分だと、出庫/帰庫のタイミングでアルコールチェック待ちの行列ができてしまうことがあります。アルコールチェックの結果を紙に記録していたり、デジタルでも使いづらいシステムで管理していたりすると、チェック担当者の負担も大きいものとなり、時間がかかるのでさらに順番待ちも長くなります。毎日のように行う作業ですのであまりに負担が大きいと、記録の漏れや誤りにもつながってしまうでしょう。
役割別に「一斉出庫 / 帰庫」におけるポイントを整理すると、安全運転管理者にとっては毎日のように短期間に集中する作業を軽減し、記録ミスなどを起こさないようにすることが課題と言えます。
一方、運転を行う社員にとっての課題は出庫/帰庫時の確認を受けるまでの待ち時間が生じないようにすることです。
(2)バラバラに出庫 / 帰庫するケース
会社から社有車が出庫する場合でも、常に「一斉」であるとは限りません。営業先とのアポイント時間がそれぞれ違ったり、フレックスタイム制を採用していたりすれば、出庫するタイミングが社員ごとにバラバラということもあるでしょう。
警察庁の「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について」には、「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者、における「運転」とは、一連の業務としての運転を言う」、「必ずしも個々の運転の直前または直後の都度に行うものではなく、出勤時および退勤時で事足りる」とあります。そのため、都度乗車する直前、降車の直後に酒気帯び確認をする必要はありません。
ただし、毎朝点呼をするような仕事内容で無ければ、特定のタイミングでしっかりと確認を受けることを忘れないようにしなければなりませんし、運転の予定があることを忘れていたので改めて出発前に確認を受けたいという場合にも対処できるようにしておく必要があります。
また、退勤時間は出勤時間に比べ、社員によって時間にばらつきがあることも多いので、管理者が席を外していてアルコールチェックが思ったタイミングでできないということも起こります。管理者の都合がよくなるまで後回しにしていたら、つい確認することを忘れて帰宅してしまったりということが起こるかもしれません。深夜の帰庫などがあるとさらに対応も難しくなるでしょう。
このように、「バラバラに出庫 / 帰庫」する場合、酒気帯びの確認漏れを起こさないことが確認する側、確認を受ける側双方にとって課題となります。また、個別対応を迫られることで、管理者にとっては一斉出庫 / 帰庫よりも負担が大きくなる場合があるでしょう。
運転を行う社員については、出庫や帰庫時に待たされずタイムリーに管理者の確認等を受けられるかという課題があります。
(3)直行直帰のケース
コロナ禍でのリモートワークの推奨で、直行直帰を認める会社も増えてきました。また、出張して遠隔地にいるドライバーのアルコールチェックを行わなければならないこともあります。
このような場合も、バラバラに出庫 / 帰庫するケースと同じ課題が考えられます。管理しているドライバーの動きに管理者が合わせなければならないケースがあるため、急なアルコールチェック依頼に対応したり、バラバラと来る確認依頼に都度都度対応するということが起きがちです。
さらにオンラインでの目視確認になるため、なりすましなどの不正によって有効な酒気帯び確認ができないリスクを防ぐことも、安全運転管理者にとっての課題として挙げられます。運転する社員が出社しているわけではないので、目が行き届かず連携が取りにくいといったこともあるでしょう。
一方、運転を担当する社員側はバラバラに出庫/帰庫するケースと同じく、管理者がつかまらずに目視確認待ちとなる、出庫や退勤の時間が予定よりも遅れてしまったりすることが、課題としてあげられます。
有効な対策
ここまで3つのケースに分けて、アルコールチェックをめぐってどんな課題があるか、見てきました。
安全運転管理者にとっては、「繰り返し集中的に行う作業の負担抑制」、「適宜個別に発生する作業の負担抑制」、「酒気帯び確認未実施での運転防止」、「確認結果の記録漏れ・記録ミスの防止」といった点が、それぞれの業務形態によって生じる主な課題でした。また、運転を担当する社員にとっては「待ち時間の無いタイムリーな検知・目視確認の実現」といった部分が主な課題となります。
業務フローに合わせて上記の課題を整理し直すとポイントは4つあります。まずは①酒気帯び確認、②目視確認といった毎日の確認作業の運用自体をいかに効率化するか。そして、検知結果を③もれなく記録し、④運行情報と照合できる状態にしておくことです。延期となったこの機会に、自社の働き方に応じた課題に対して改めてできることは何かを整理し、効率的に義務を果たしていけるように準備をしていきたいものです。それぞれの課題に対しては運用でカバーする必要もあれば、ツールを活用することで解決できるものもあります。
現在目視確認についてはリアルタイムでの管理者の確認が必須となっていますので、バラバラに出庫/帰庫したり、直行直帰という場合には事前に確認時間を管理者のスケジュールに入れてしまうような運用ルールを作る必要があるでしょう。
一方、その他の課題はDRIVE CHARTを活用することで管理者やドライバーの負担を減らすことができます。DRIVE CHARTがどのようにして課題を解決するのか、3つの機能を紹介します。
(1)一元管理で解決
DRIVE CHARTでは、担当ドライバーを「所属チーム」として一覧化し、アルコールチェックの際に記録が必要となる8項目すべてを、一画面で入力できます。
また、AIドラレコで顔認証が行われ、車両情報や出庫・帰庫、酒気帯び確認記録が自動で記録できるので、管理の手間を省くことができます。
さらにドライバーの運転結果とアルコールチェックの記録を照合することで、管理者の記録漏れを防ぐことができます。管理者がスムーズに業務を行えるようになる結果、ドライバーの待ち時間も減るというメリットもあります。
(2)自動連携で解決
一部のアルコール検知器については、DRIVE CHARTと自動連携することができます。
自動連携機能を使うと、アルコール検知器の数値がDRIVE CHARTに自動的に登録されます。アルコール検知器でチェックすれば、その結果をいちいち入力する必要がありません。
管理者にとっては、入力の手間が省けるという大きなメリットがあります。また、アルコールチェックの確認結果が自動的に入力されるため、記録漏れが起きにくいといえます。
もし、自動連携に対応していないアルコール検知器を導入している場合でも、アルコールチェックの結果をCSVで一括入力することができるので、CSV出力が可能な検知器であれば簡単に帳票管理の一元化ができます(手動連携)。
(3)通知機能で解決
アルコールチェックについては、その結果の記録・管理が大変ですが、そもそもアルコールチェック自体を忘れてしまうことにも対応する必要があります。そのような場合は、DRIVE CHARTのアラート機能が威力を発揮します。
アルコールチェックの記録がないまま運転してしまった場合、管理者とドライバーの双方にアラートメールが届くのです。当然、アルコール検知器で基準値以上のアルコールが検出されたのにそのまま自動車を運転した場合にも、アラートメールが出ます。
このようにして確認漏れや記録漏れを防ぎ、危険な状態をすぐに察知できるのです。その結果、ドライバーのミスを防止し、安全運転を確保することができるようになります。
新たに義務化されたアルコールチェックは手間のかかる作業です。ツールの活用によって、効率化できる部分は積極的に効率化し、業務に支障なく義務を果たせるようにしましょう。
DRIVE CHARTを活用した車両管理や酒気帯び確認結果の一元管理や、一歩進んだ事故の未然防止について、気になることや不明点などありましたらお気軽にお問合せください。
酒気帯び機能の詳細をご希望の方は
DRIVE CHARTでは間もなくアルコール検知器からの自動データ連携に対応する専用アプリの公開を始めとして、今後もより便利に活用いただける改修を予定しております。
DRIVE CHARTとの自動連携に対応するアルコール検知器はこちら
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