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2023.06.29

雨天時に、社用車の事故は起こりやすい? DRIVE CHART走行データから明らかになる「リスク運転傾向」と対策とは

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 いよいよ梅雨も本番。雨が降る中で車を運転する機会も多くなりました。雨天時の運転は視界不良やタイヤのスリップなど事故のリスクが多く潜んでいます。

 また、近年は夏にかけて全国各所でゲリラ豪雨が発生しており、いつどこで大雨が発生してもおかしくありません。運転中に天気が急変して突然の豪雨に見舞われる可能性も否定できず、それが高速道路上だった場合は重大な事故につながることもあります。
 

 社用車を運転中に、突然の豪雨でヒヤリとした経験をしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。実際には、どのくらいの方が雨天時の事故に巻き込まれた経験があるのでしょうか。また、企業の管理者が行う雨天時の安全対策についても調査してみました。

約3割が「雨天時に事故」、原因の多くは「運転者側のミス」?

 「DRIVE CHART」を利用する法人企業における社用車管理者845名に「雨天時の企業の安全運転」に関する調査を行ったところ、29.5%が「雨天時に社用車の事故が起こったことがある」と回答。約3割が社用車での事故を経験したことがあり、雨天時の事故は思った以上に身近なトラブルと言えそうです。

 事故の内容をみてみると、最も多かったのは「物損事故(車両、標識などとの接触)」で、95.2%。以下、「人身事故(歩行者等との接触)」が35.3%、「横転、転覆」が8.8%と続きます。

 また、事故が起きた時間帯で、最も多かったのは「夕方」で、58.6%。ついで、「昼」が54.2%、「夜」が43.4%でした。薄暮時間帯は天候に限らず事故が起こりやすく、警察庁でも注意喚起を行っています。晴天時と比較して視界が悪くなり、付随するミスも起こりやすくなる雨天時は、当然気を付けなければなりません。

 「事故が起きてしまった理由」を尋ねると、「運転操作のミス」という回答が62.2%、「降雨の影響による視界不良」が51.0%、「運転者の心理的な焦り」が47.4%という結果に。「濡れた路面によるスリップ」も、雨天時の事故があった約3割の管理者が経験していますが、「ミス」や「焦り」など、運転者側に原因が多い結果となっています。

事故が多くなる雨天時の運転、管理者はどう対策?

 では、社用車の管理者は雨天時の運転について、どのような対策を行っているのでしょうか。
 
 管理者全体の内、「雨天時の運転について対策やメンテナンスを行っている」という回答は48.4%。半数以下にとどまっており、雨天時の運転シーンについては対策が後手に回っている企業も少なくないようです。

 行っている対策として最も多かったのが、「出庫時に注意事項を声がけ」で、66.0%でした。ついで「ワイパー、タイヤ―、ウォッシャー液の補充等、車両の日常点検」が50.4%、「安全運転研修で、雨天時運転の注意事項を教育」が48.4%と、運転者側、車両側の両面で対策を行っている企業も多いことがうかがえます。

 ちなみに、「晴天時」と「雨天時」を比較すると、事故は「雨天時の方が多い」という回答が20.0%、「晴天時の方が多い」12.4%と、雨天時の方が若干多くなる傾向にありました。こうした事故を起こさないために、雨天時はどのような点に注意して運転すれば良いのでしょうか。

雨天時の運転で大切な「安全意識の共有」と、4つのポイント

 雨の日の運転で特に注意しなければならないのは、「視界が悪くなること」と「路面が滑りやすくなること」です。
 
 雨天時は、フロントガラスやサイドガラス、ドアミラーに雨粒が付着して、前方、後方、側方のいずれの視界も悪くなります。また、車内側のガラスが曇ったり、他車の水しぶきなどで視界が遮られたりすることも。視界が悪くなることで、前の車や歩行者、信号、白線、道路標識を見落すことや、適切な安全確認が行えなくなるリスクが増加します。
 
 また、路面が濡れて滑りやすくなっていることで、乾燥した路面よりも、危険を発見してからブレーキを踏み、車が止まるまでの停止距離が長くなります。また、焦って急ブレーキや急ハンドルなどの操作をするとスリップする危険も増大。高速走行時には、ハイドロプレーニング現象(タイヤと路面との間に水膜ができることで浮いた状態になり、コントロールできなくなること)が発生し、大事故にもつながりかねません。

 各拠点の管理者も兼務や人手不足などで、対策が後手後手に回ってしまうこともあるかもしれません。しかし、調査結果にもあるとおり、雨天時は晴天時よりも若干事故が増える傾向にあります。また、運転者のミスや心理的な焦りが起きやすい状況も揃っているので、事故につながらないよう車両の対策などはしっかり行っておきましょう。

 また、雨天時の運転対策を行っている企業において多かった「出庫時に注意事項を声がけ」や「安全運転研修」なども有効です。雨天時に安全運転を行うため、以下のようなポイントなどを参考に、現場に安全意識を共有していきましょう。

●視界をできるだけ良好に保つ

 雨水で視界が悪くならないように、雨の強さに応じてワイパーの動き方を調整しましょう。ワイパーのゴム部分が劣化したり汚れたりしていると、拭き取りにくくなり視界が悪くなるため、定期的な確認が必要です。
 
 また、あらかじめ行える対策として、「ガラスのコーティング」がおすすめ。フロントガラスの油脂を除去してコーティングを施しておくと、雨水を瞬時に弾いてくれるためクリアな視界が確保できます。
 
 もし、ガラスが曇って視界が悪くなる場合は、「デフロスター」や「エアコン」を使ってくもりを取り除きましょう。

●いつもより車間距離を長くとる

 路面が濡れているときの制動距離は、路面が乾いているときと比べて1.5倍以上も長くなると言われています。晴れた日と同じ感覚でブレーキをかけると、停止が間に合わないことも。いつもよりスピードを落とし、車間距離に余裕をもって走行することが大切です。
 
 さらに、スピードの出し過ぎや急ブレーキは、スリップ事故が起きるリスクが高まるので危険です。雨の日は他の車も同じように制動距離が長くなるため、急ブレーキをかけると追突される可能性もあります。

●昼間でも薄暗いときはライトを点灯する

 雨の日は、先の見通しが悪くなり、昼間でも厚い雲によって薄暗いことがあります。視界が悪いときは、時間に関係なくライトをつけましょう。ライトをつけることは、周囲に自車の存在を伝える意味でも効果的です。

●雨の状況を確認する

 豪雨の場合は事故のリスクがより高まります。ワイパーを最速で作動させても見えないほどの雨(目安として雨量20~30mm/時間)では、自車・他車ともに視界が確保できず事故のリスクが増大。さらに、冠水や河川の氾濫の被害に遭う可能性もあります。
 
 雨天時のみならず、運転前には、気象庁のサイトや天気予報アプリなどで、最新の気象予報をチェックしておきましょう。
 
 万が一、運転中に雨が急に強くなった場合は、屋根のある駐車場などに雨がおさまるまで待機し、事故のリスクをできる限り下げることも大切です。    

DRIVE CHART走行データにおける「雨天時に増えるリスク運転」は?

 このように、気を付けることが多い雨天時の運転ですが、具体的にはどのような「リスク運転」が増えるのでしょうか。
              
 「DRIVE CHART」を利用する法人車両の走行データを「晴天・曇天時」と「雨天時」のリスク発生割合を比較すると、少し違った事実が明らかになりました。
 
 データ分析によると、雨天時においては先ほどリスクとして挙げられたような「急加速」、「急減速」、「急ハンドル」といった突発的な運転操作や、「車間距離」「速度超過」の発生割合は減少傾向になっています。その一方で、雨天時は「脇見」、「一時不停止」といった不注意によるリスク運転が増加していることがわかりました。

 実際の雨天時は、視界不良や路面コンディションの不安などで、運転がより慎重になることから急加速といった突発的な運転操作は減少する傾向にあるようです。逆に普段は気を付けているはずの「脇見」や「一時不停止」といった点が、視界不良などで注意力散漫になり、リスク運転として検出されているのかもしれません。
 
 「DRIVE CHART」では、ドライバーのプライバシーにも配慮しつつ、AIを駆使したドライブレコーダーが常に運転を解析。事故の要因となりうるリスク運転行動を、自動的に検知し、映像を残します。
 
 「急発進」や「急ブレーキ」といった突発的な運転操作から、「脇見」「一時不停止」などの不注意な運転まで、様々なリスクとなる運転習慣を可視化し、改善を促すことで、そもそも事故を起こさないようにする取り組みをサポートいたします。
 
 「DRIVE CHART」を活用した雨天時の運転リスク対策にご興味を持っていただけましたら、下記のフォームからお気軽にお問い合わせください。

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