導入事例
2026.10.02
サンゲツ、グループをあげた『DRIVE CHART』活用の取り組み 「無事故・無違反」達成から、子会社・協力会社への更なる効果波及を期待
サンゲツは、住宅からオフィス、商業施設など、あらゆる室内空間の企画~施工を行う国内インテリア事業・エクステリア事業、さらに北米・東南アジア・中国・香港市場に向けたインテリア内装材の製造・販売を行う海外事業を展開しています。
インテリア内装材におけるトップシェア企業として、全国の拠点から各都道府県の代理店や工事店などに、約700台の車両で配送・物流を担っています。そのうち『DRIVE CHART』を導入したのは、サンゲツの自社配送が担当するロジスティクス部門の車両58台。
さらに子会社で、九州地域の物流サービスを行うクロス企画が42台、サンゲツのロジスティクスセンターでの倉庫内作業から配送まで一貫して担当するSDSが86台で、グループでは約200台の車両に『DRIVE CHART』が導入されています。
各社でそれぞれ担当領域は違うものの、グループ内で協力し合いながら安全管理を行っているサンゲツグループ。どのように『DRIVE CHART』の導入に至り、活用を行っているのでしょうか。サンゲツ ロジスティクスセンター統括室 安全管理担当 大沼孝之さん、クロス企画 代表取締役社長 菊田恒宏さん、SDS 代表取締役社長 木南充裕さんの3名に、安全管理上の成果も含めてお伺いしました。
会社名 株式会社サンゲツ
業種 インテリアの企画・開発・製造・販売・施⼯、エクステリアの販売・施⼯
各種施設・オフィス空間等の企画・設計・⼯事監理・施⼯
1日あたりの運行車両台数 約700台
導入時期 2025年1月から順次導入
導入目的・課題
・事故や交通違反の削減
・ドライバーの安全を守る
・家族が安心して仕事に送り出せる環境を整える
導入後の取り組み
・運行管理者の設置、細かな指導、勉強会の開催
・グループ内で事例、ランキング、指導方法の共有
・インセンティブ制度の導入
導入効果
・事故、違反の削減
・リスク運転も業界平均以下に削減
・安全意識、モチベーションの向上
東京支社
社員を守るために「運転行動を変えたい」
――『DRIVE CHART』導入のきっかけから教えてください。
サンゲツ 大沼様 2022年から、きめ細かい物流配送と営業提案を兼務する「サービスクルー」という取り組みが始まります。この体制が拡充・強化されていく中で、どうしても自損事故や交通違反が出ていました。色々と考え、相談しながら、「人の指導だけでは難しい」「ハードウェアの面で、何か良いものはないか」と検討することに。
そこで、AIドラレコに着目して、色々なメーカーさんの製品を確認・検討しました。その中で『DRIVE CHART』が我々の考えと合致して、導入の決定に至りました。まず「どのようなものか?」とトライアル導入を行い、その後、補助金の兼ね合いもあり、クロス企画→サンゲツ→SDSの順に導入をしていきました。
サンゲツ 大沼様
クロス企画 菊田様 『DRIVE CHART』導入を決めた一番の理由は、ドライバーの安全を守るためと、家族が安心して仕事に送り出せる環境を整えるためです。それまでは、ドライバーが車両に乗ったあとは、もう任せるしかありませんでした。
しかし、AIドラレコを付ければ、どのような運転をしているかを確認することができます。ドライバーは見られたくないかもしれませんが、管理側としてはあがってきたリスク運転に対して指導し、ドライバーの意識改善ができるようになりますよね。
SDS 木南様 私は2025年4月にサンゲツのグループ会社となったSDSに着任しましたが、当時、ごく一般的な安全教育は行われていましたが、お世辞にも安全運転が徹底できているとは言い難い状況でした。「続けていても改善する気がしない」というのは最初に感じたことです。外カメラのドライブレコーダーとデジタコも付いていましたが、事故防止コンサルの企業からも「運転行動を変えないとダメだ」という話を聞きました。
情報収集したところ、グループ内で『DRIVE CHART』を導入して事故が減ったとのこと。「最初に行う投資としてはこれしかない」と、2025年9月に本格稼働をスタートできました。運送会社は人が資本です。最初は乗務員に反発されましたが、とにかく1日、何事もなく会社に帰ってきてもらいたいですし、それを毎日続けてもらいたい。監視が目的ではないと説明し、「被害者にも加害者にもなってほしくないんだ」という思いで導入しました。
名古屋事業所
――『DRIVE CHART』導入後、当初の気づきとしては、どのようなものがありましたか。
サンゲツ 大沼様 東京でトライアルを行い、その後『DRIVE CHART』営業、カスタマーサクセス担当と相談しながら運用方針や周知方法を固められたので、導入後すぐに実行できて成果につながりました。リスク運転は、交通違反につながってしまうような「一時不停止」が特に多かったです。そのため、まず「一時不停止」の削減を目標に掲げて、クリアするところからスタートしました。
クロス企画 菊田様 当社も取り付けて運用を開始した当初は、数字を見て愕然としました。「一時不停止」もそうですが、軽微な交通事故も断続的に発生していましたので、ドライバー個々の運転の癖(車間距離不足、速度超過など)を可視化する必要性を痛感しましたね。
クロス企画 菊田様
SDS 木南様 当初は、運転をしながら携帯電話を触っていたことが分かりました。脇見、一時不停止、急ハンドル、急ブレーキ…、本当にそれは驚きで、プロのドライバーとして非常に恥ずかしいことだと。乗務員は「電話も仕事だから」と言いますが、交通違反をしてまで仕事をする必要はありません。さらに、乗務員が電話対応しなければいけない状態になっていたらリスクですし、どうしたら運転だけに集中してもらうことができるかというのが起点でした。
乗務員にも「承認欲求」がある インセンティブ導入で安全意識向上
――そこから、どのように施策を進めていきましたか?
サンゲツ 大沼様 とにかくグループとしては「車は凶器」で、死に近くなる乗り物だと、事故が起きると人生が(良くない方向に)変わってしまうと、ドライバーに再三伝えています。そのうえで各拠点にプロフェッショナルな運行管理者を置いて、四半期に1度は添乗指導を行い、レポートを提出してもらいます。我々の車両は白ナンバーですが、もともとの運用のスタートが「運送会社のようにやっていこう」という発想でしたので。
東京支社
クロス企画 菊田様 ドライバーにはクセがあります。そのクセが『DRIVE CHART』のスコアで数値化されていますので、この人は車間距離、あの人は脇見など、細かく見て指導しています。車間距離が足りないから急減速をしなければならない…など、リスク運転には連動性がありますし、その人に合った指導をしやすくなっているのは間違いありません。
1人ひとりの気持ちを切らさずに意識改善していくには、勉強会やリスク運転動画の閲覧の繰り返し。リスク運転動画が検知されたら、そのドライバーは次の運転で気をつける点を全員のLINEに送るようにしています。毎月1回は法定12項目の研修も行っていますので、忘れがちなところをもう一度振り返って、慣れて意識が下がらないようにやっています。
SDS 木南様 ながらスマホ運転をしたら、SDSでも反省文です。さらに動態管理のシステムを入れるなど、電話が必要のない仕事の仕方に変えていきました。あとは毎日のモニタリングですね。運用を一手に引き受けてくれている担当者が毎日、昨日のリスク運転について社内に発信しています。そして所長に「乗務員と直接話をしてください」「話をしたら、内容をレポートしてください」と。結局は人と人なので、地道なコミュニケーションもとても大事です。
――そうした基盤となる活動に加えて、効果の出た特別な施策はありますか。
クロス企画 菊田様 インセンティブ制度でしょうか。ドライバーの仕事は運転ですので、「安全運転」自体を評価することに決めました。月間スコアが98点を超えたら「月次報酬」を、毎日振り返りを行ってもらうために1日が100点満点の走行であれば「日次報酬」を設定しています。逆に事故や違反があるとインセンティブはゼロに。毎日の運転への興味と集中力が出て、ドライバーの意識が変わってきたかなと思います。
SDS 木南様 そのような先行事例があったので、SDSでも良いスコアが取れればインセンティブとして乗務員に安全運転報奨金を設定しています。ジュースやコーヒーなど、休憩時のリフレッシュ代くらいの金額ですが、意識がグッと変わって「どうしたらスコアが上がる?下がる?」という話題が乗務員間でも出るようになりました。管理者に質問をしてくる乗務員もいます。
導入してみて分かったのは、乗務員にも承認欲求があるのだということです。運転のテクニックに自信を持っていますし、上手いと言われることをすごく欲しています。必ずしもお金がベストとは言えませんが、それがトリガーとなってその欲求が発露してきたのはとても感じます。その欲求を良いほうに向かせれば、効果は出てくるなと。褒めることは大事だと思いましたね。
『DRIVE CHART』設置車内
サンゲツ 大沼様 サービスクルーも、常設のインセンティブはありませんが、7月・8月は「『DRIVE CHART』交通安全運動」と連動し、「交通安全運動2026~減らすはリスク(STOP&THINK)、狙うは神業(安全配送)~」というキャンペーンを設置しました。月間の平均スコア99点以上と、1000kmあたりのリスク運転を一定以上減らしたら景品を出しています。グループ内でも、安全管理については積極的に情報共有を行って、「一緒にこういうことをやっていきましょう」と協力し合っていますよ。
グループ全体で事故7割減 サンゲツ単体では「無事故無違反」に
――そのようなグループ間の協力・情報共有はどのように行っていますか?
サンゲツ 大沼様 3社ではドライバー185名全員の『DRIVE CHART』ランキングを毎月出すなど、数字や取り組みについてミーティングで共有しています。目に見えるようにして切磋琢磨してもらえればというのが狙いですね。さらに協力運送会社さんも集めてサンゲツ安全衛生協議会も開催しており、安全教育から健康管理まで、サンゲツの配送に関わる皆さんの安全が確保できるよう取り組んでいます。
クロス企画 菊田様 グループに限らず、全国で発生した事故事例を共有してもらっています。どこどこで、こういう事故が発生したと全員に周知して、注意喚起を行えるのは効果があります。発信も早いですし、力添えをいただいています。
サンゲツ 大沼様 昨年と比較して、協力会社さんも含めた事故は7割以上減っています。我々のメッセージや取り組みが、協力会社さんにも届いてきたのかもしれません。類似した商品を運んでおり、リスクも似ていますから。仮に事故が発生したら、逐一映像を各社さんに出してもらい、3日以内にオンラインで事故報告会を行っています。状況報告、検証、改善提案と、些細な事故でも実施は欠かしません。
大阪事業所
――個社ごとの成果としては、いかがでしょうか。
サンゲツ 大沼様 サンゲツ単体としては、『DRIVE CHART』導入前は事故や違反もありましたが、昨年は4件、今年は4-6月時点で0件。このまま無事故無違反を維持していきたいですね。
クロス企画 菊田様 リスク運転が1年で99.7%減りまして、『DRIVE CHART Award 2025』物流部門では「新人王」もいただきました。現在でも、6月はリスク運転が業界平均0.15件のところ、0.06件(ともに1,000kmあたり)に抑えられています。大きな事故も防げていますが、今後は小さな事故を減らすのが課題ですね。周囲を確認せず発進してぶつけた、など不注意が多いので、事故事例から学べるように共有しながら改善しています。
SDS 木南様 導入してまだ1年ですが、スコアも改善してきていますし、運転行動も変わってきています。安全運転が身につき始めていて、事故も法令違反も昨年と比較して非常に減らせていますね。ただ、まだゼロにはなっていませんので、一過性の効果にならないように、より良い成果に導いていかなければならないと思っています。
また『DRIVE CHART』の乗務員への安全運転報奨金の支給をきっかけとして、作業員に対する報奨金の在り方についても、社内で議論がスタートしています。費用面は必要ですが、「良いことは広げていこう」というきっかけになって、社内の意識も少し変わってきた気がしますね。
サンゲツ 大沼様 協力会社さんにも示しがつくように、まず我々3社を事故ゼロにするという目標があります。『DRIVE CHART』導入から良い方向に向かっていることは間違いないので、基本的なことは芯をぶらさずにみんなでやっていきたいですね。もっと良い方法があればチャレンジしながらプラスアルファを生んでいきたいですし、機能面でのさらなるアップデートも期待しています。