DRIVE CHARTとは

2021.06.11

“記録”だけでなく“事故予防”も——法人向けドライブレコーダーの選び方

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ドライブレコーダーが市場に出回り始めたのは、今から約18年前のこと。当時はまだマイナーな存在でしたが、時間をかけて普及し、今では個人・法人を問わずドライブレコーダーを搭載した車両を多く見かけます。社用車を保有する法人であれば、一度は導入を検討したことがあるのではないでしょうか? しかし、一口にドライブレコーダーといっても、そのタイプはさまざま。法人の場合、「何も考えずに安い機器を選んだら、事故が起きたときの肝心なシーンが録画できていなかった……」「映像のチェックに手間がかかり、管理業務に全く活用できていない……」など、導入後に想定外のトラブルや課題に直面し、機器の選定を後悔したという話もよく聞きます。 法人がドライブレコーダーを導入するときは、“導入目的に合わせた機器を選ぶ視点”が必要です。では、どういった視点で種類と特徴を選定すればよいのでしょうか? ドライブレコーダーの導入を検討している法人の皆さんに、そのポイントをご紹介します。

進化するドライブレコーダー――3世代(種類)の比較

ドライブレコーダーの進化(歩み)を追っていくと、3つの世代(種類)に大別できます。

第1世代「非通信型ドライブレコーダー」

ドライブレコーダーが流通し始めたのは、2003年頃といわれています。その後、京都祇園軽ワゴン車暴走事故(2012年4月)や東名高速夫婦死亡事故(2017年6月)がきっかけとなって認知が広がり、一般にも普及しました。

2017年は15.3%だったドライブレコーダーの搭載率は、2018年には31.7%とおおよそ倍になっていますが(参考:ソニー損害保険株式会社『2020年全国カーライフ実態調査』)、このとき主流だったのは、インターネットと接続しない「非通信型ドライブレコーダー」でした。SDカードなどの記録媒体に映像や音声が保存されるタイプです。期待されていた役割は、事故発生時の証拠や検証材料として運転を客観的に記録することでした。

第2世代「通信型ドライブレコーダー」

ドライブレコーダーの普及に伴って技術が進歩すると、「通信型ドライブレコーダー」が誕生し、活用されるようになりました。

法人の場合、非通信型では映像確認の手間がかかるなどの課題があるため(例:わざわざSDカードを抜き、該当箇所の映像を探す)、より効率的に映像が確認できる通信型が好まれます。また、通信型の大半には、車両に衝撃などの何かしらのアクシデントが発生したときに自動で映像をクラウド上に保存する機能が搭載されています。機器によっては車両の動態把握(車両の現在位置や走行軌跡の確認)にも活用でき、社用車の運行管理の効率化の役割も期待されています。

第3世代「AIドライブレコーダー」

通信型がさらに進化したものが、「AIドライブレコーダー」です。通信型で自動的に検出されるアクシデントは、「衝撃」や「急加速・急ブレーキ」などに限られますが、AIドラレコでは、ドライブレコーダーの映像をAIが分析することでより幅広い検出が可能です。検出例(一部)としては、最近厳罰化された「あおり運転(車間距離不足)」「ながら運転(運転中脇見)」などが挙げられます。

このAIドラレコならではの機能を活用すると、ドライブレコーダーの役割は「事故の記録」から「事故の未然防止」に大きくシフトチェンジします。弊社で提供するAIドラレコ・DRIVE CHARTの実証実験では、トラックの事故率が48%削減される効果が見られ、今ではトラック、タクシー、営業車など、さまざまな企業でDRIVE CHARTが活用されています。

法人向けドライブレコーダーの選び方と注意点

3種類(世代)のドライブレコーダーをご紹介しましたが、ドライブレコーダーを選ぶ際に考えるべきポイントは、「目的」です。

ドライブレコーダー導入の目的は大きく2つに分けられます。

目的①:アクシデント(事故やトラブルなど)が起きたときの証拠を記録として残したい
目的②:事故を削減したい

導入目的が目的①のみであれば、3種類、どれを選んでも問題ありません。しかし、一般的に「非通信型」→「通信型」→「AI」の順に費用が高くなります。そのため、自社での使い方や目的を想定・整理し、必要な機能を満たすドライブレコーダーはどれなのか見極めることが必要になります。

「何かあったとき、多少手間がかかっても、SDカードを抜き出して映像の確認ができればよい」という企業は、非通信型ドライブレコーダーを選択しても、問題ないでしょう。しかし、安価な非通信型の中には、記録できる時間が短かったり、定期的なSDカードのフォーマット作業が必要だったりするものもあります。加えて、真夏の炎天下の車内はかなりの高温になり、精密機械であるドライブレコーダーを設置する環境としては、相当、過酷です。そのため、非通信型を導入する場合は、有事の際、確実に映像が残せる信頼できるメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。肝心なときに映像が記録されていなければ、導入の意味がありません。

「非通信型ドライブレコーダーのような手間は極力かけず、運用を楽にしたい」と考える企業は、通信型ドライブレコーダーがおすすめです。最も大きなメリットは、SDカードを抜かずに事故映像を確認できること。最近では車両管理のデジタル化——いわゆる、DX(デジタル・トランスフォーメーション)も進んでいますが、通信型の中には動態把握ができる製品もあり、“車両管理DX”としても活用できます。ただし、通信型といっても、全ての映像をクラウド上で確認できるわけではありません。アップロードされる映像は製品によっては条件があるため、期待する機能を満たしているかを事前にしっかりと確認しましょう。

AIドラレコが必要な企業は、目的①に加えて目的②についても考える企業です。

通常のドライブレコーダーを活用して安全運転指導をすると、下にあるフローのように相応の手間がかかり、社用車を多く保有する会社ほど網羅的なチェックをするのは、非現実的です。



しかし、上述の通り、AIドラレコは映像から運転を分析してさまざまなシーンを自動検出するため、「映像チェックの車両選定」→「SDカード取得」→「映像確認」→「指導内容の整理」といった一連のフローが一切不要になります。AIドラレコを活用すれば、効果的な社員への安全運転指導と事故削減が同時に実現できるのです。

事故が減れば、自動車保険料の削減効果も期待できます。AIドラレコの導入には当然コストはかかりますが、しっかりと運用すれば、大きな投資対効果とコスト削減の実現も可能になります。

法人のドライブレコーダー導入はAIドラレコを比較検討の最優先に

企業のコンプライアンス強化のため、従業員保護のため、社会的責任を果たすために、最近は、大半の企業が事故削減の取り組みに力を入れています。この取り組みで成果を出すためには、従来のような「『アクシデントが起きたときの証拠』としての機能を果たすドライブレコーダー」では、不十分です。

「AI」と聞くと、高価なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、AI技術の普及により、以前と比較するとかなり安価に導入できるようになり、より身近な存在になりました。これからは、AIドラレコを活用した安全指導が主流になっていくと考えられます。

また、AIドラレコは、機能の拡張性が高い場合が多く、自動アップデートにより随時新機能が追加・更新されていきます。一度設置すると5年前後は同じ機器を使い続けるケースが多いドライブレコーダーの特長を考えると、常に最新の状態を保てるのはAIドラレコの大きなメリットといえるでしょう。

以上のことから、今、もし法人の方がドライブレコーダーの導入・入替を検討しているのであれば、AIドラレコをおすすめします。

弊社でも、AIドラレコ・DRIVE CHARTを提供しています。導入企業の事例や効果についてもご紹介できますので、情報収集や比較・検討段階の方も、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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執筆
DRIVE CHART 編集部
編集
DRIVE CHART 編集部